「二重窓は防音・遮音効果なし」って本当?実態やおすすめ商品、費用目安について
「車の音や犬の鳴き声が気になる」「子どもの泣き声で隣に迷惑をかけないか心配」そんな方におすすめなのが、二重窓による防音・遮音対策です。
しかし、インターネットなどで調べると「効果がない」というネガティブな感想も見かけます。
そこで、今回は「二重窓」の防音・遮音効果について、そのメカニズムや“効果がない”と言われる理由とその対策についてお話しします。
金額目安が分かる見積もりサービスや、多くの方が気になる疑問についてもお話ししますので、騒音でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
●二重窓にすると、外窓と内窓の間にできる空気層によって、防音・遮音効果を得られます。
●「二重窓は防音・遮音効果がない」と言われるには原因があり、それを対策することで効果を実感できます。
●“窓一番”は、1966年創業以来、埼玉県随一の「内窓工事」・「窓リフォーム」・「玄関ドア工事」事例数を誇り、同グループ内には住宅リフォーム専門部署もありますので、総合的にあなたのお悩みを解決できます。
目次
二重窓の防音・遮音効果はどのくらい?
二重窓(内窓・インナーサッシ)は、既存窓の内側にもう1セットの窓を設置する方法です。
窓を二重にすると、間に空気層ができて、その部分で内外部の音を軽減できます。
特に、楽器音やペットの泣き声、子どもの遊ぶ声など、空気が振動して伝わる「空気伝搬音(空気音)」の遮音効果が高いため、人通りの多い場所や、小学校・幼稚園が近い場所におすすめです。
では、なぜ窓を二重にすることで防音・遮音効果が得られるのでしょうか。
ここでポイントとなるのが、素材ごとに異なる音の伝わり方(音速)です。
材質 | 音の伝わりやすさ (音速:m/秒) |
---|---|
空気 | 1.205 |
コンクリート | 2,300 |
ガラス | 2,420 |
アルミニウム | 2,690 |
上の表を見ると、外壁に使われるコンクリートよりも、窓ガラスやアルミサッシ枠の方が、音の伝わりが早いのが分かります。
また、外壁面は暑さ15〜20cmで、内部には断熱材などの材料が詰まっているのに対して、窓ガラスは2〜10mm程度の厚さがほとんどです。
そのため、内部から漏れる音・外部から聞こえる音の多くは、窓から出入りしているということになります。
窓を二重にすると、ガラス面が振動して聞こえる騒音を外窓・内窓間の空気層で軽減し、さらに内窓ガラスで打ち消す効果があります。
サッシメーカーの調べによると、内窓を設置すると、外部からの騒音を40dB(デシベル)も軽減できるとされており、交通量の多い道路の音が、図書館程度の静けさになるというデータもあるほどです。
【おすすめコラム】
内窓リフォームの費用と工事内容を徹底解説|戸建住宅・マンションの違いについても
「防音・遮音効果なし」と言われる原因と対策
窓を二重にすると音の伝わりが抑えられるとされていますが、ブログやSNSを見ると「効果がない」「意味がない」というネガティブな意見も目につきます。
その原因は、「内窓さえつければ防音・遮音効果が得られる」と思う方が多い点に尽きるでしょう。
内窓を設置すれば音の問題が解消される訳ではありません。
では、二重窓の防音・遮音効果を妨げる原因と、その対策を紹介します。
「内窓で固体音は防げない」
二重窓によって軽減できるのは、空気を震わせて伝わる「空気伝搬音(空気音)」です。
そのため、固体が振動して伝わってくる「固体伝搬音(固体音)」は抑えられません。
固体伝搬音は、以下のような音が当てはまります。
- 道路を掘削している工具の音
- 道路とタイヤの摩擦によって発生するロードノイズ音
- 上階の足音
- ドアの開閉音
- 壁に物がぶつかる音 …
これらの音は、物体に振動が伝わって聞こえるため、いくら空気層を作っても防げないのです。
固体伝搬音を防ぐには、床や壁、天井を防音仕様にする必要があります。
まず、気になっている音の種類を特定することから始めましょう。
騒音の種類によっては、内窓だけでは解決せず、部屋の全体的な防音リフォームが必要になる可能性があります。
「防音に適した内窓・ガラスを選ばなかった」
内窓と言っても、その仕様は様々です。
特に、窓ガラスは種類が豊富で、設置する目的に合わせて適切なタイプを選ばなくてはいけません。
防音・遮音効果を実感できない場合は、適した仕様を選ばなかった可能性があります。
内窓をどうして付けたいのか、目的を明確にしてから施工会社へ相談しましょう。
防音が第一優先なのか、それとも断熱・防音の両方をバランスよくカバーできるのか、はたまた防犯が目的なのかを決めておくと、適切な内窓を提案してもらえます。
「外窓の気密性が低い」
いくら内窓をつけても、外窓の気密性が低いと、音は室内に入ってきます。
隙間から音が侵入すれば、一重窓とあまり状況は変わりません。
築年数が経ち、窓サッシが老朽化して気密性が低下しているお宅は要注意です。
住宅用窓サッシの寿命は、20〜30年程度です。
そのため、築30年を超えているお宅は、内窓設置と合わせて外窓交換も検討することをおすすめします。
最近は、窓周辺の壁を壊さず新しいサッシを入れる「カバー工法」が主流なので、短期間かつ安価で窓の気密性や断熱性を高められます。
【おすすめコラム】
〈窓の取り替えリフォーム〉“カバー工法”とは?方法や費用相場まで解説
「中間空気層の幅が小さい」
外窓と内窓の間にできる空気層が厚いほど、防音・遮音効果が高まります。
各サッシメーカーの実験結果を見ると、「中間空気層84㎜」としているところが多いです。
ただし、空気層の幅を広げ過ぎると、断熱性は低下します。
中間空気層の幅を広げ過ぎると、断熱性が低下して内窓の表面に結露が発生する可能性があるため、断熱性も確保したい場合は「中間空気層70mm程度」がおすすめです。
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内窓をつけても結露するって本当?原因と対策を徹底解説
「費用対効果を実感できない」
内窓は、あくまでも音の伝わりを“軽減”するのが目的であり、“遮断”することはできません。
なぜなら、二重窓にしても、全面外壁の状態よりは音が伝わりやすいからです。
そこを知らずに二重窓リフォームをすると、費用対効果を実感できない可能性があります。
二重窓リフォームを検討中の方には、補助金をうまく活用することをおすすめします。
「2024先進的窓リノベ事業」では、内窓設置や外窓交換で最高200万円/戸が支給されます。
ただし、補助金の対象となるためには、事前に事務局へ登録されている施工会社に工事を依頼しなくてはいけません。
私たち“窓一番”は数多くの補助金申請をサポートしてきた実績がありますので、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
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【2024先進的窓リノベ事業】窓の断熱リフォーム補助金を“確実に”もらうためのポイント
防音・遮音効果の高いおすすめ二重窓(内窓)|費用目安
防音・遮音効果の高い内窓とガラスの種類はいくつかあり、価格や特徴が異なります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、ご要望に合うタイプを選びましょう。
サッシ | 特徴 |
---|---|
樹脂製サッシ | ・防音性(遮音性)と断熱性が最も高い ・価格が高い |
アルミ樹脂複合サッシ | ・樹脂製サッシより防音性(遮音性)と断熱性は劣るが、従来のアルミサッシよりも高性能 ・デザインや開閉方式、カラーの種類が豊富 ・樹脂製サッシよりも価格が安い |
ガラス | |
---|---|
単板ガラス | ・1枚ガラスで厚さ5mmが一般的 ・内窓に使用されるガラスで最もリーズナブル ・防音(遮音)性能は低い |
複層ガラス (一般的なペアガラス) | ・2枚のガラス間に空気層がある ・単板ガラスよりも防音(遮音)性能は高い ・一定の断熱性がある |
異厚複層ガラス | ・厚さの異なるガラスを組み合わせて間に空気層を作り、音の共鳴現象を打ち消す ・一般的な複層ガラスよりも高い防音(遮音)性能を発揮する ・一般的な複層ガラスと同じ程度の断熱性がある ・一般的な複層ガラスよりも高価 |
Low-E複層ガラス | ・2枚のガラス間に特殊なガスを入れた空気層がある ・単板ガラスよりも防音(遮音)性能は高く、一般的な複層ガラスと同等 ・一般的な複層ガラスよりも高価 ・高い断熱性がある |
防音合わせガラス | ・2枚のガラスに樹脂製防音フィルムを挟み、さらにもう一枚のガラスを組み合わせて間に空気層を作る ・異厚複層ガラスよりも高い防音(遮音)性能を発揮する ・Low-E複層ガラスよりも高価 ・一般的な複層ガラスと同じ程度の断熱性がある |
既存住宅に設置する場合は、防音・遮音効果だけではなく断熱効果も高い「樹脂製サッシ+Low-E複層ガラス」の仕様をおすすめします。
一般的な2枚引き違い・腰窓(幅180cm・高さ90cm)の製品代+工事代は、「11万円前後(オプション別途)」です。
「うちの窓サイズで具体的な金額を知りたい」「もっと具体的な金額を知りたい」という方は、“窓一番”の「無料見積もりシミュレーションサービス」をご利用ください。
以下の情報を入力していただくと、お名前や連絡先などを入力せずに、金額がその場ですぐに分かります。
- お好みの内窓メーカー(三協アルミ、YKKap、LIXIL)
- 施工場所(洋室、和室、トイレ、浴室など)
- 窓タイプ(2枚引き違い、4枚引き違い、FIX、開き、テラス窓)
- お好みのガラス種(単板、複層、Low-E、それぞれ透明や型板、すり板ガラス等)
- ふかし枠の有無(オプション)
- 既存窓のサイズ(横幅、高さ)
※防音合わせガラス・異厚複層ガラスの価格は、お問い合わせフォームより別途お問い合わせください。
施工箇所数などに応じて、お得なキャンペーンをご用意していますので、お気軽にご相談ください。
二重窓の防音・遮音効果に関する気になるQ&A|ポリカーボネートでDIY・ピアノや車の音・賃貸物件
「二重窓にして防音(遮音)効果を高めたいが、初めてで不安」という方も少なくないでしょう。
そこで、防音を目的として二重窓リフォームを検討してる方の多くが気になる疑問へお答えします。
Q.「DIYで内窓を設置したいが、注意する点はある?」
内窓はホームセンターなどでも購入できるため、設置をご自身でしたいという方は少なくありません。
その際は、以下の点には十分気をつけてください。
- 採寸を間違えると内窓がうまくおさまらない
- 住宅の歪みを考慮して採寸しなくてはいけない
- 外窓の気密性を改善するための補修作業が必要な場合がある
- 掃き出し窓など大きな窓は重量があるため、搬入が大変で破損のリスクがある
- 外窓と内窓の間隔が広すぎても狭すぎても結露リスクがある
- 内窓を個人で購入する場合と業者が購入する場合は価格が異なる場合がほとんど
内窓の設置は、単純そうに見えてかなり細部までこだわらなくてはいけません。
そのため、まずはプロに相談することをおすすめします。
Q.「防音窓はポリカーボネートで作れるって本当?」
ポリカーボネートとは、熱可塑性樹脂(ポリカーボネート樹脂)で作られたパネル材です。
耐衝撃性や耐光性に優れているため、住宅ではカーポートやベランダの屋根材として使われます。
インターネットでは、木材を枠状にしてこのポリカーボネートパネルをはめて、手作りで内窓を作る方法が数多く紹介されています。
確かに、外窓だけの状態よりも防音・遮音効果を得られるかもしれませんが、外窓の気密性が低ければあまり意味がありませんし、結露が発生する可能性もあります。
また、微妙な既存窓枠の歪みにフィットする手作り内窓を作るのは至難の技です。
ポリカーボネートは決して安い材料ではないため、内窓設置の費用を施工会社へ確認し、コストを十分比較してから着手しましょう。
Q.「ピアノの音漏れ・外部から聞こえる話し声や車の騒音は防げる?」
先でお話ししたように、二重窓で軽減できるのは「空気伝搬音(空気音)」に限られます。
そのため、ピアノの音が外へ漏れたり、屋外から聞こえる人の話し声を軽減できます。
一方、車の走行音に対する防音・遮音効果は低い可能性が高いでしょう。
ただし、マンションの高層階など道路から距離がある場合は、車の騒音も空気に乗って伝わる空気伝搬音(空気音)となるため、一定の効果を実感できるはずです。
逆に、上階からピアノの音が床や壁(=固体)を伝ってくる場合は、内窓では防げないので注意しましょう。
Q.「賃貸物件でも防音仕様の二重窓はつけられる?」
賃貸物件の場合、借主には原状回復義務が課せられるため、退去時には借りた時の状態に戻さなくてはいけません。
そのため、窓枠にビス穴が開く一般的な内窓設置は、後でその補修費用が請求される可能性があります。
防音目的で内窓をつけたい場合は、まず大家さんに相談しましょう。
大家さん負担で内窓をつけてもらえるか、借主負担での内窓設置を許可してもらえる(原状回復しなくていい)可能性があります。
大家さんとのこのようなやり取りを避けたい方におすすめなのが、賃貸内窓用アタッチメントです。
既存窓枠に専用アタッチメントを設置すると、ビス穴を開けずに内窓を設置できます。
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窓・玄関ドアでお悩みの方は“窓一番”へご相談を
私たち“窓一番”は、埼玉県でトップクラスの窓・ドア交換工事実績があります。
1966年創業以来、お客様の窓・玄関ドアに関する多くのお悩みを解決してきました。
長きに渡って多くの方にお選びいただいてきた理由は、4つの“強み”があるからです。
●玄関ドアや窓などのアルミサッシ取扱量は埼玉県内有数の多さで、多くの施工実績があります。
●資材メーカーとの直接取引と自社施工によって、リーズナブルな価格でご満足いただけるプランをご提案できます。
●自信を持って工事を行なっているため、独自の施工保証は「5年間」です。(※製品はメーカー保証対象)
●同グループ内にリノベーションやリフォームを専門に行なっている部門があるため、付帯工事からフルリノベーション、インテリアデザインのコーディネイトまでまとめてお任せいただけます。
細かいオプションや採寸、その他リノベーション工事のご相談も承りますので、まずはお気軽にご相談ください。