「樹脂窓」のデメリットは?後悔しないためのポイントを解説|普及率・耐久性についても
住宅の断熱性が重要視される中、海外に続いて日本でも「樹脂窓」を採用する住宅が増えています。
しかし、インターネットで調べると、「後悔した」「失敗した」というようなネガティブな言葉も見かけます。
そこで、今回は窓工事のプロが「樹脂窓」について、デメリットや後悔しないためのポイントを解説します。
窓のリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
●「樹脂窓」には、高断熱・高気密というメリットがあるため、省エネ住宅に多く採用されています。
●アルミサッシとのハイブリッドタイプである「アルミ樹脂複合サッシ」もおすすめです。
●手軽&リーズナブルに「樹脂窓」をご自宅へ採用したい方は、内窓リフォームをご検討ください。
●“窓一番”は、1966年創業以来、「窓リフォーム」「内窓工事」「玄関ドア工事」を数多く手がけてきた実績があり、リーズナブルな価格でお客様へ“快適性”をご提供しています。
目次
樹脂窓(樹脂サッシ)とは?どんなメリットがある?
樹脂窓(樹脂サッシ)とは、従来のアルミサッシと異なり、塩化ビニル樹脂から作られています。
冬に厳しい寒さに見舞われるドイツ発祥で、住宅の快適性・省エネ性を高めるために開発されました。
その後、北欧や北米へ普及し、日本では豪雪地帯である北海道や東北を中心として住宅へ用いられています。
最近は、日本国内でも住宅の省エネ性が重要視されているため、新築・既存住宅問わず、雪がたくさん降る地域以外での採用事例も少なくありません。
では、樹脂窓のメリットを見てみましょう。
- 断熱性が高い
- 気密性・防音性が高い
- 開閉タイプやカラーレパートリーが豊富
断熱性が高い
一般的なアルミサッシと比べて、樹脂窓の原料である塩化ビニル樹脂は熱伝導率が低いため、高い断熱性があります。
【材料】 | 【熱伝導率(W/ m・K)】 |
アルミニウム | 236 |
塩化ビニル樹脂(硬質) | 0.13~0.29 |
熱伝導率が低いということは、「熱を伝えにくい」ということです。
アルミニウムと塩化ビニル樹脂の熱伝導率を比べると、1/1800程度であり、その分外気温の影響を受けにくく、室内の温度を外に逃がしにくい特性を持ちます。
そのため、冬に窓際が冷たいなどの不快感はあまり感じませんし、夏にも冷房効率をキープできるのです。
樹脂窓の断熱性は、他の窓サッシと比べて最高クラスと言って間違いありません。
また、高断熱な複層ガラスと組み合わるので、窓の嫌な結露も防げることから、最近は古い住宅の窓リフォームにも多く採用されています。
気密性が高い
樹脂はアルミよりも柔らかい素材なため、気密性が高い点もメリットと言えます。
古いアルミサッシと比べるとその差は歴然で、窓を閉める際に密閉感が分かるはずです。
気密性が高いと、より外の暑さ・寒さの影響を受けづらく、防音効果も期待できます。
開閉タイプやカラーレパートリーが豊富
アルミサッシも昔と比べるとカラー展開は増えましたが、樹脂窓はさらにそれを超える豊富なレパートリーが魅力です。
なぜなら、アルミなどの金属と比べると加工や着色が容易なためです。
カラーだけではなく、引き違い窓や滑り出し窓、上げ下げ窓など、開閉タイプのレパートリーも多いため、和風住宅・洋風住宅と様々なニーズに対応できます。
樹脂窓(樹脂サッシ)のデメリットは?
年々採用事例が増えている樹脂窓ですが、欠点がない訳ではありません。
ご自宅へ設置する際には、必ずデメリットも十分理解しておきましょう。
アルミサッシよりも重い
樹脂はアルミと比べても強度が低いため、サッシとしての耐久性を確保するために材料を分厚くしなくてはいけません。
また、断熱性を高めるために複層ガラスと組み合わせるのが通常なので、初めて樹脂サッシを開けた際に「重い」と感じる方は少なくないでしょう。
最近は、樹脂窓が普及したこともあり、重さの問題は解消されつつあるものの、依然としてアルミサッシよりも重量があるのは事実です。
そのため、樹脂サッシを掃き出し窓などの大きな開口部へ設置する場合は、事前にショールームなどで開閉具合を体感してみることをおすすめします。
アルミサッシより耐候性が低い
樹脂窓に使われる塩化ビニル樹脂は、プラスチック素材の中では耐候性(紫外線や風雨に対する耐久性)が比較的高く、酸性物質・アルカリ性物質・塩類などに侵食される心配はほとんどありません。
そのため、決して外部に面した場所に接して耐久性が落ちる可能性が低いです。
「耐候性が低い」というのは、あくまでもアルミサッシと比較した場合であると理解しておきましょう。
ただし、常に直射日光が当たる場所ですと、表面がチョーキング(風化して粉状になる)現象が起こる可能性もありますので、設置場所については専門家に相談するのがおすすめです。
価格が高い
樹脂窓は、日本においてはまだまだ普及途中であり、広く浸透しているとは言えません。
日本の一般住宅へ採用され始めたのは、2000年代初頭であり、まだまだその歴史は浅いのです。
そのため、アルミサッシと比べると価格は高い点は否めません。
樹脂サッシと一般的なアルミサッシの価格を比べると、「2倍程度」になるのが通常です。
樹脂窓の欠点を軽減するのが「アルミ樹脂複合サッシ」
樹脂窓の「重さ・耐候性・価格」に関するデメリットを抑えるために開発されたのが、「アルミ樹脂複合サッシ」です。
軽くて耐久性・耐候性が高いアルミを屋外側へ使い、高断熱・高気密な樹脂を室内側に使うことで、互いの欠点をカバーし合う“ハイブリッド”なサッシと言えます。
樹脂窓と比べると断熱性能は少々落ちますが、価格は2/3程度に抑えられるため、昨今は新築住宅へ多く採用されています。
ご予算や設置環境に合わせて樹脂窓と使い分けるのがおすすめです。
また、築年数の大きい住宅で「それほど費用をかけずに断熱性を高めたい」という方にも、ご好評いただいています。
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世界と比べて日本では普及していないって本当?
家の高断熱化・省エネ化が重要な課題である日本において、樹脂窓を取り付ける事例は増えているものの、世界各国と比べるとその普及率はあまり高いとは言えません。
欧米やお隣韓国では樹脂窓がスタンダードであるにもかかわらず、日本では未だ29%(2022年時点)にとどまっています。
国土交通省の調べによると、住宅へ設置されるサッシで最も多いのが「アルミ樹脂複合サッシ(67.5%)」です。
諸外国と比べて樹脂窓の普及が遅れているのには理由があります。
それは、これまで日本では住宅に求められる断熱性能に関して、熱貫流率(U値)の“最低基準”が義務付けられてこなかったからです。
しかし、2025年4月からは、住宅を含む全ての新築建築物へ「省エネ基準(平成28年度基準)適合」が義務付けられるため、今後は樹脂窓の普及が一気に進むことが期待されています。
既存住宅への省エネ基準適合義務化は予定されていませんが、電気代が高騰していることからも、家の省エネ性を高める目的で樹脂窓への取り替えを検討する方が増えています。
既存住宅へは「内窓リフォーム」もおすすめ
内窓(インナーサッシ)とは、既存窓の室内側にもう一つ窓をcする方法で、二重窓となるため、断熱性・気密性が大きく向上します。
この内窓は樹脂製なので、既存窓を変えることなく樹脂窓のメリットを得られます。
1箇所あたり数時間で設置が終わり価格もリーズナブルなことから、人気の高いリフォームとして注目されています。
また、2024年度も引き続き補助金が支給される予定ですので、さらにお得に窓リフォームができる点もポイントです。
「大掛かりな工事はしたくないが、省エネ性をアップさせたい」「外観を変えることなく、樹脂窓を採用したい」という方は、内窓リフォームをぜひご検討ください。
“窓一番”の「窓交換リフォームお見積もりサービス」では、下記の情報を入力するだけで、お名前や連絡先などを入力せずに、内窓リフォームや樹脂窓への取り替え費用の概算が分かります。
・施工場所(洋室、和室、トイレ、浴室など)
・既存窓のタイプ(引き違い、雨戸付きなど)
・既存窓のサイズ(横幅、高さ)
・新設する窓サッシの種類(樹脂窓、アルミ樹脂複合窓)
・新設する窓サッシの開閉方式(引き違い、FIX、すべり出しなど)
・ガラス種類(Low-E複層ガラス、複層ガラス)
・サッシカラー(屋外側、室内側)
・オプション有無(網戸など)
施工箇所数などに応じて、以下のお得なキャンペーンをご用意していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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