遮熱窓と断熱窓はどっちがいいか|それぞれの違いと使い分け方、費用について解説

「遮熱と断熱、窓にはどっちがいいの?」「夏の暑さと冬の寒さ、両方なんとかしたい」というお悩みを抱えている方へ。
遮熱窓と断熱窓は、それぞれ異なる性能に特化しており、用途や設置場所によって適した選び方があります。
しかし中には、「断熱性能を期待して遮熱窓を選んでしまった」「冬になって後悔した」といったケースも少なくありません。
そこで今回は、遮熱窓と断熱窓の違いや使い分け方、失敗しないための選び方のコツを、方角や地域の気候も踏まえてわかりやすく解説します。
窓選びに迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
●遮熱・断熱の違いを表や具体例で解説し、「どっちを選べばいいか」がすっきりわかります。
●Low-Eガラスの見分け方や、方角・在宅時間・気候を踏まえた最適な選び方も紹介します。
●“窓一番”は、1966年創業以来埼玉県随一の「外窓・内窓・玄関ドア工事」の施工事例数を誇り、最適な工事プランの提案から補助金申請までお客様をサポートしております。
目次
【結論】遮熱窓と断熱窓はどっちがいいか

窓選びにおいて、「遮熱」と「断熱」のどちらが良いのかは、多くの方が迷うポイントです。
結論から言えば、正解はひとつではなく、お住まいの環境や生活スタイルによってベストな選択が変わります。
遮熱窓と断熱窓の違い|Low-Eガラスの仕組みと選び方
遮熱窓と断熱窓は、主に「Low-Eガラス」と呼ばれる特殊なガラスが使われており、ガラスに施された金属膜の位置によって性能が分かれます。
熱の伝わり方や日射熱のカット方法が異なるため、用途に応じた選び分けが大切です。
窓の種類 | 金属膜の位置 | 主な効果 | 適した季節・窓方角 |
---|---|---|---|
遮熱窓 | ガラスの外側 | 太陽の熱を反射し、室温の上昇を抑える | 夏・南向きや西向きの窓 |
断熱窓 | ガラスの内側 | 室内の熱を逃がさず、冷気を防ぐ | 冬・北向きの部屋や寝室の窓 |
また、性能を比較する際には次の2つの数値に注目しましょう。
- U値(ユー値、熱貫流率):熱の伝えやすさを示し、数値が低いほど断熱性能が高い
- η値(イータ値、日射熱取得率):太陽光による熱の入りやすさを表し、数値が低いほど遮熱性が高い
例えば、夏に日差しが強く差し込むリビングには遮熱タイプ、冬の寒さが気になる寝室には断熱タイプを選ぶと快適性が向上します。
参考:YKK AP『商品を探す>窓・サッシ / シャッター>複層ガラス>Low-E複層ガラス 日射遮蔽型(断熱タイプ)/日射取得型(断熱タイプ)』
結局のところどっちがいいか|後悔しない3つの判断ポイント
遮熱タイプ・断熱タイプの違いを理解したうえで、実際にどちらを選べばいいか迷っている方も多いはずです。
最終的にどちらを選ぶかは、以下の3つのポイントを基準に判断するのが現実的です。
1. 方角 |
・南側や西側など、日射が強く当たる窓には遮熱タイプが効果的 ・北側や日差しの少ない窓には断熱性を重視するのが一般的 |
2. 在宅時間 |
・日中に在宅する時間が長い場合は、夏場の暑さ対策として遮熱性能を優先する ・逆に夜間の快適さを重視するなら、断熱性能がある窓が向いている |
3. 地域の気候 |
・寒冷地では、基本的に断熱性能を重視するのがおすすめ ・温暖地や夏の暑さが厳しい地域では、遮熱効果の高い窓が活躍する |
後悔しないためには、こうした要素を組み合わせながら、ご自宅の環境に合った窓を選ぶことが重要です。
方角については、次の章でも詳しく解説します。
遮熱と断熱の向き・不向きは方角で変わる

窓の効果は、設置する方角によって大きく異なります。
南側は冬の日射取得がメリットになる一方で、西側は夏の西日が悩みの種にもなるからです。
ここからは、方角ごとの特徴と、それに合った窓タイプの選び方を詳しく解説します。
南向きの窓|日射取得と庇で断熱効果を調整
南向きの窓は、冬に暖かい太陽光を効率よく取り入れられる理想的な向きです。
そのため、断熱性能のある窓で日射を室内に取り込む方が、暖房効率の面でもメリットが大きいと言えます。
一方で、夏は直射日光が入りすぎると室温が上がってしまうため、庇(ひさし)や外付けブラインドなどで日差しを遮る工夫が必要です。
遮熱窓にしてしまうと、冬場の暖かさまで遮ってしまうことがあるため、南側には断熱窓が適しているケースが多いです。
西向きは遮熱、北向きは断熱重視が基本
方角別のおすすめ窓タイプは以下のとおりです。
方角 | 特徴 | 推奨タイプ |
---|---|---|
南 | 冬は日差しが入りやすい | 断熱タイプ(庇を活用) |
西 | 夏の強い西日で暑くなりやすい | 遮熱タイプ |
北 | 直射日光が少なく寒くなりやすい | 断熱タイプ |
東 | 朝日が入りやすい | 生活に応じて遮熱 or 断熱 |
西側の窓は、夏の午後から夕方にかけて強烈な西日が差し込むため、遮熱タイプの窓を選ぶのが一般的です。
家具や床の日焼けを防ぐ効果も期待できます。
一方北側は、断熱性能の高い窓を選ぶと、室内の快適さが保ちやすくなります。
また、東側は朝日が入る場所として重視されますが、朝の強い光が気になる場合は遮熱窓を、冬場の陽だまりを活かしたいなら断熱窓がおすすめです。
このように、各方角の特徴に合わせて、窓のタイプを選びましょう。
シートやカーテンで代用できるか|遮熱・断熱アイテム

「まずは手軽な方法から試してみたい」と考える方も多くいらっしゃいます。
確かに、遮熱シートやカーテンは手頃で取り入れやすいですが、その効果と限界を正しく理解しておくことが大切です。
遮熱シートやカーテンの効果と限界
遮熱・断熱シートやカーテンは、窓からの熱の出入りを抑えるための手軽な対策グッズです。
遮熱タイプは、アルミコーティングなどで太陽の熱を反射し、夏の室温上昇を防ぐ効果が期待できます。
西向きや南向きの窓に使うと、冷房効率が上がったと感じられることもあります。
一方、断熱タイプは厚手の素材や空気層のある構造で、冬の冷気を遮ります。
室内の暖かさを逃がしにくくし、暖房効率をサポートするのに有効です。
ただし、どちらも窓自体の性能を上げるわけではないため、効果は限定的です。
遮熱シートは冬に日差しまで遮ってしまう恐れがあり、断熱カーテンも窓ガラスの結露を完全には防げません。
また、見た目の違和感や貼り直しの手間、耐久性の低さがデメリットとなる点にも注意しましょう。
代用アイテムと窓リフォームとの違い
遮熱・断熱シートやカーテンには、効果や耐久性の面では限界があり、あくまで一時的・応急的な対策にとどまります。
それに対して、窓そのものを遮熱・断熱性能の高い製品にリフォームする方法は、高い断熱性や結露防止、冷暖房効率の改善が長期的に期待できるのが特徴です。
以下のように、目的や予算に応じて使い分けるのがおすすめです。
- 一時しのぎの対策:遮熱・断熱シートやカーテン
- 恒久的な改善:ガラス交換や内窓の設置
「毎年、夏や冬の暑さ寒さに悩まされている」という場合には、本格的な窓の見直しも視野に入れてみましょう。
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遮熱・断熱窓の価格と活用できる補助金

「遮熱と断熱、どちらの窓にするか」を考えるうえで、費用の違いや補助金の対象になるかどうかは非常に重要なポイントです。
ここでは、おおまかな価格の目安と、上手に活用したい補助制度について紹介します。
遮熱・断熱Low-Eガラスの価格
Low-Eガラスの本体価格は、遮熱タイプと断熱タイプで大きな差はなく、約3〜30万円程度が目安です。
ただし、性能グレードや窓のサイズ、施工方法によって全体の費用は大きく変わります。
コストパフォーマンスを重視したい場合は、補助金の対象になる製品や工事内容を選ぶことが重要です。
補助金を活用してお得に導入するには
補助金制度を使えば、窓リフォームの負担を大きく減らすことができます。
ただし注意点として、遮熱窓は補助金の対象外であることが多く、断熱性能が一定以上でなければ対象になりません。
例えば国の「先進的窓リノベ2025事業」では、以下のような条件を満たす窓改修に対して補助金が出ます。
- 対象性能:断熱性能が基準を満たす製品
- 補助額:窓サイズ・性能ランクに応じて最大1窓あたり0.5〜26.6万円程度
「先進的窓リノベ2025事業」を活用する場合は、断熱窓の設置などとセットで、必要に応じて遮熱対策も行うという形がおすすめです。
また、自治体によっては独自の補助金や助成制度を実施していることもあります。
例えば埼玉県さいたま市では、「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」として、住宅の断熱性能を高める全体改修に最大20万円、部分改修に最大10万円が支給されます。
なお、こちらの制度も断熱性の向上が前提となるため、遮熱窓の設置だけでは対象とならない点にご注意ください。
参考:
・国土交通省『先進的窓リノベ2025』
・さいたま市『省エネ・断熱住宅普及促進補助金』
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