「ペアガラスには防音・防犯効果がない」って本当?最新ガラスと選び方のポイント

今や住宅窓のスタンダードになりつつあるペアガラスですが、「防犯・防音効果がない」と言われています。
そこで今回は、ペアガラスのデメリットや最新窓ガラスの性能について詳しく解説します。
窓リフォームを後悔しないためのポイントや関連する補助金・減税制度も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●ペアガラスには断熱性アップのメリットはありますが、防犯・防音効果は得られない可能性があります。
●ペアガラスを選ぶ際は、目的に応じて最適なガラスを選ぶことが重要です。
●ペアガラスへ交換するだけでは断熱性が高くならない可能性があります。
●窓の断熱リフォームは、1966年創業以来埼玉県随一の「外窓・内窓・玄関ドア工事」施工事例数を誇る“窓一番”にお任せください。
目次
ペアガラスとは

ペアガラスとは2枚のガラスがセットになっていて、間の中空層によって高い断熱性を発揮するガラスです。

メーカーによっては複層ガラスとも呼ばれ、日本では新築戸建住宅への普及率は97%を超えています。
メリット
ペアガラス最大のメリットは、やはり中空層によってもたらされる高い断熱性です。
ここでキーワードとなるのが「熱伝導率」です。
熱伝導率とは“熱の伝わりやすさ”を表す指標で、数値が小さいほど「熱を通しにくい=断熱性が高い」ことを意味します。
原料 | 熱伝導率 (W/mK) |
---|---|
アルミニウム合金 (アルミサッシの材料) | 200 |
ガラス (一般的なフロートガラス) | 1 |
空気 (ペアガラス中空層の乾燥空気) | 0.02 |
上の表でもわかる通り、乾燥した空気は窓サッシやガラスと比べて高い断熱性があるのです。
単板ガラスと各種ペアガラスの断熱性能を比較すると以下のようになります。
ガラスの種類 | 熱貫流率 (W/㎡・K) |
---|---|
単板ガラス (厚さ5mm) | 5〜6 |
ペアガラス (ガラス3mm+中空層6mm+ガラス3mm) | 3〜3.5 |
ペアガラス (ガラス3mm+中空層12mm+ガラス3mm) | 2.5〜3 |
LowEペアガラス (LowEガラス3mm+中空層12mm+LowEガラス3mm) | 1.7〜2 |
寿命・耐用年数
ガラス自体の寿命は割れない限り100年を超えるとされていますが、ペアガラスの場合は一般的に10〜20年程度で劣化する可能性があります。
最も多いペアガラスの経年劣化は、中空層の気密性低下です。
ペアガラスは中空層を密閉して乾燥空気や特殊ガスを入れますが、経年劣化によってガラス周囲の密閉度が下がり、徐々に湿度の高い空気が侵入してしまう可能性があります。
中空層の気密性低下によって、断熱性が落ちて内部結露が発生するケースは珍しくありません。
そのため、ペアガラスを設置する場合は定期的な交換費用も想定しておく必要があります。
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ペアガラスのデメリット|防音・防犯効果がないと言われる理由

ペアガラスは従来の単板ガラスと比べると断熱性能は高いですが、デメリットもあります。
一般的なペアガラスは防音・遮音が低い
ペアガラスはガラスが2枚なので防音・遮音効果がありそうに感じますよね。
しかし、通常のペアガラスは防音・遮音効果を目的としていません。
音域によってはむしろ単板ガラスよりも防音・遮音効果が低い可能性もあるのです。
低音域(250〜500Hz)
2枚のガラス種類と厚さが同じペアガラスは、低音域において中空層の空気やガスによって共鳴して、音の透過損失が低下する可能性があります。
この現象を、低音域共鳴透過現象と呼びます。
※透過損失:入射音と透過音の差を表し、数値が高いほど遮音性が高いことを意味します。
高音域(1000〜3000Hz)
高音域を中心に特定の周波数において透過損失が低下する可能性があり、低下率は、ガラスの厚さによって異なります。
この現象を、コインシデンス効果と呼びます。
基本的にはガラスが薄いほど高音域で透過損失が起こります。
これらの法則を全て解決できれば、理論上はペアガラスでも防音・遮音効果を得られます。
しかし、市販されている一般的なペアガラスは断熱性やコストの側面から、防音・遮音に特化していません。
一般的なペアガラスは防犯性が低い
ペアガラスは単板ガラスよりも割るのに手間がかかるように見えますよね。
しかし、簡単に割れるフロートガラスが1枚から2枚になったところで、防犯性能が上がる訳ではありません。
熱割れの可能性がある
ペアガラスは屋外側・室内側で表面温度に大きな差が出るため、設置環境によっては熱割れによってヒビが入るケースは珍しくありません。
例えば、直射日光によって外側のガラス表面温度だけ高くなり、室内側のガラスはエアコンで涼しい空気に触れて表面温度が低いままの状態では、熱膨張の差で割れる可能性があるのです。
〈おすすめコラム〉
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ペアガラスは重い
ペアガラスは単板ガラスよりも重量が大きく、レールや戸車が摩耗劣化した古いサッシに入れると開閉が大変だったり、ガラスの重さで建て付けが悪くなったりする可能性があります。
ガラスの種類 | 重量の目安 (W900・H1800の場合) |
---|---|
単板ガラス (厚さ5mm) | 約20kg/枚 |
ペアガラス (ガラス3mm+中空層6mm+ガラス3mm) | 約24kg/枚 |
おすすめガラス|断熱・省エネ・防犯・防音

一般的に普及しているペアガラスでは、防音・遮音や防犯効果はあまり期待できません。
ただし、ペアガラスの中でも防音・防犯に特化した製品もあり、断熱性においては最新のガラスはさらに性能が進化しています。
ペアガラスを選ぶ際には、目的に合わせて適切な仕様を選びましょう。
断熱・遮熱・省エネ
真空ペアガラス
真空ペアガラスとは、中空層が真空の複層ガラスです。
通常の乾燥空気を封入したペアガラスよりもさらに高い断熱性を発揮します。
LowE複層ガラス
LowE複層ガラスとは表面に熱を遮蔽できる特殊金属膜をコーティングしたペアガラスで、高い断熱・遮熱効果を発揮します。
LowEのコーティングが屋外側・室内側どちらのガラスに施されているかによって、断熱・遮熱の効果が変わるため、窓の位置や方角によって適切なガラスを選びましょう。

LowE複層ガラスの中空層は主に「乾燥空気」と「アルゴンガス」の2種類あり、アルゴンガスを封入したペアガラスの方が断熱性は高まります。
※アルゴンガス:空気よりも比重が重いガスで、対流しにくく断熱性が高い。
ガラスの種類 | 熱貫流率 (W/㎡・K) |
---|---|
LowEペアガラス (ガラス3mm+乾燥空気中空層12mm+ガラス3mm) | 1.7 |
LowEペアガラス (LowEガラス3mm+アルゴンガス中空層12mm+LowEガラス3mm) | 1.4 |
LowEトリプルガラス
トリプルガラスは、LowEペアガラスの中空層内部に薄いガラスが加わり3枚のガラスで構成されています。

トリプルガラスは主に北海道など特に寒さが厳しい地域の住宅に採用されるケースが大半です。
中空層はアルゴンガス入りが標準で、さらに断熱性の高いクリプトンガス入りのものもあります。
クリプトンガス入りLowEトリプルガラスは、日本で流通している住宅窓サッシ用ガラスの中では最も断熱性が高く、熱貫流率は0.55〜0.59(W/㎡・K)と単板ガラスの10倍程度です。
防犯
安全合わせ複層ガラス
通常のペアガラスは防犯効果がありませんが、安全合わせガラスを組み入れたペアガラスでしたら、ガラス破りや不審者の侵入をブロックできます。

安全合わせガラスは2枚のガラスの間に特殊な樹脂中間膜を挟んでいるため、バールなどで叩いても簡単には割れないことから、防犯性アップを目的に多くの住宅へ採用されています。

安全合わせガラスは万が一割れても破片が飛散しにくいため、防災面でもメリットがあります。
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防音・遮音
異厚複層ガラス
異厚複層ガラスとは、厚さが異なる2枚のガラスを組み合わせたペアガラスです。
ガラスの厚さを変えることで共鳴透過現象を抑えられ、車の走行音や工事音などの低音域を軽減できます。
「4mm厚のガラス+中空層8mm+6mm厚のガラス」が一般的で、LowEガラスを組み合わせたタイプは防音と断熱・遮熱の両方を兼ね備えるため、都心部を中心に採用事例が多数あります。
安全合わせ複層ガラス
防犯性の高い安全合わせ複層ガラスは、遮音効果もあります。
柔軟性の高い樹脂中間膜が、音を遮蔽してガラスの振動を抑えるためです。
また、安全合わせガラスは「3mm厚のガラス+30〜60mil(ミル)の特殊膜+3mm厚のガラス」で構成されるため、通常のガラスよりも分厚く質量則による防音・遮音効果が高い点もポイントです。
※質量則:中音域の音を、ガラスの質量(厚さ)に応じて防音・遮音できる仕組み
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ガラス交換だけでは不十分かも|内窓設置・外窓交換がおすすめ

窓ガラスだけをペアガラスへ交換しても、思うようにメリットを得られない可能性があります。
- 古い窓サッシは断熱性がほとんどないので、フレームから熱が出入りしたり結露したりする
- 窓サッシの気密性が低いとペアガラスにしても冷気や熱気が室内に入り込む
- 窓サッシの気密性が低いと防音性の高いペアガラスにしても音が出入りする
- 窓サッシの建て付けが悪いとペアガラスにすることで開閉しづらくなる
- 古い窓サッシは防犯合わせ複層ガラスを入れてもサッシを壊される可能性がある
このように、ガラスだけを高性能なペアガラスにしても今の問題や悩みを完全に解決できないかもしれません。
そのため、ガラス交換を検討している方は内窓の設置や外窓の交換も合わせて検討しましょう。
内窓を設置したり外窓を交換すると、気密性や建て付けの悪さを改善でき、サッシ枠からの熱伝導を防げます。
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窓リフォームするなら“今”がチャンス|補助金・減税制度

ご自宅の窓ガラス交換や、内窓の設置、外窓の交換をすると、補助金制度・減税制度を利用できる可能性があります。
補助金
〈全国対象〉先進的窓リノベ2025事業
2024年11月22日以降に窓リフォームをすると補助金の対象になります。
対象工事 | 既存住宅における「断熱性向上を実現できる」内窓設置・外窓および窓ガラス交換工事 ※窓改修と同一契約の場合のみ、玄関ドア交換も対象 |
補助金額 | ガラス交換:5,000〜33,000円/ヶ所 内窓設置:12,000〜106,000円/ヶ所 外窓交換(カバー工法):62,000〜220,000円/ヶ所 ※1世帯あたり200万円が上限 ※グレード・サイズによって補助金額は異なる |
申請期限 | 遅くとも2025年末 ※ただし、申請金額が予算額に達した時点で期限を待たずに受付終了 |
※詳しくは速報「先進的窓リノベ事業2025」概要と補助金申請の注意点、2024年からの変更点を解説をご覧ください。
〈東京都在住の方限定〉既存住宅における省エネ改修促進事業
1つ以上の居室において、全ての窓を高断熱サッシへ交換すると、補助金がもらえます。
先進的窓リノベ事業と併用できるので、東京にお住まいの方は必ず詳細を確認しておきましょう。
対象工事 | ・天井、床下、外壁の断熱工事 ・高断熱浴槽への交換 ・高断熱玄関ドアへの交換 ・高断熱窓工事(外窓交換) |
補助金額 | 工事にかかった経費の1/3相当額 ※外窓交換は1世帯あたり100万円が上限 |
申請期限 | 2025年度分は未定 |
減税特例
窓を断熱リフォームすると、「所得税の税額控除」と「固定資産税の減額措置」を受けられる可能性があります。(参考:国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について)
所得税 | 窓の断熱改修工事にかかった「標準的な工事費用相当額」の10%分を控除(上限130万円) |
固定資産税 | 窓の断熱改修工事にかかった費用の3分の1を翌年度分の固定資産税から減額(工事金額が税込60万円以上のみ対象) |
補助金や減税制度を利用するためには、それぞれの要件(断熱性能のグレードなど)をクリアしなくてはいけません。
そのため、お得な制度をもれなく活用して窓をリノベーションしたい方は、サポート実績が豊富な施工会社へ相談しましょう。

窓・玄関ドアリフォームは“窓一番”へご相談ください

私たち“窓一番”は、埼玉県でトップクラスの「外窓交換・内窓設置・玄関ドア交換」工事実績があります。
1966年創業以来、埼玉県随一のアルミサッシ取り扱い数を誇っており、戸建住宅からマンションまで窓・玄関ドアに関する多くのお悩みを解決してきました。
各種お値引きキャンペーンを随時実施し、最新の補助金情報も提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。