【窓周りの木枠やパッキンのカビ対策】発生原因とリスク、カビ取り・防止策を徹底解説

【窓周りの木枠やパッキンのカビ対策】発生原因とリスク、カビ取り・防止策を徹底解説

窓周りの木枠やパッキンにびっしり黒カビが生えてしまっているお宅も少なくないはずです。

「掃除したり除菌したりと色々試してもきれいにならない」とお悩みの方も多いでしょう。

そこで今回は、窓周りにカビが生える原因と放置するリスク、カビ取りの方法や根本的な対策を解説します。

窓リフォームの費用目安や賃貸・マンションでの注意点も紹介しますので、どうぞ最後までご覧ください。

このコラムで分かること

●窓周りの木枠やパッキンに発生したカビの主な原因は「結露」です。

●カビ取りする方法もありますが、根本的な解決にはならないので「窓リフォーム」を検討しましょう。

●“窓一番”は、1966年創業以来埼玉県随一の「外窓・内窓・玄関ドア工事」の施工事例数を誇り、最適な工事プランの提案から補助金申請までお客様をサポートしております。



窓周りの木枠・パッキンにカビが生える原因と放置するリスク

窓周りの木枠にカビが生える原因と放置するリスク

窓周りの木枠やパッキンにカビが生える原因は「温度・湿度・養分・酸素」にあります。

発生要素条件
温度(室温)20〜30℃程度
湿度70%以上
養分湿った木材や溜まったホコリ
酸素水中など無酸素では繁殖しない

この3つの条件が揃うと、黒カビが繁殖します。

黒カビの菌はどこからくるか気になりますよね。

実は黒カビはどこにでもある土壌菌で、どんなに殺菌に気をつけて掃除しても空気中に漂っています。

それが物体表面に付着して条件が揃うと、黒カビになるのです。

木材だけではなくホコリや皮脂汚れなどもカビの養分になるため、樹脂製のパッキンや浴室の窓枠である塩ビ材にもカビは生えてしまいます。


原因は“結露”にあり

窓周りにカビが生える最も大きな条件は、「湿気=水分」です。

窓ガラスやアルミサッシ枠が結露すると、水が滴り落ちて枠を湿らせ、それがカビの発生原因となってしまいます。

以下のような条件が揃うと窓の表面に結露が発生します。

  • 窓サッシ・窓ガラスの断熱性が低い(外気温を室温に伝えてしまう)
  • 窓サッシの気密性が低い(熱の出入りが窓に集中してしまう)
  • 外気温と室温の差が大きい
  • 室内の湿度が高い(加湿器の使用・洗濯物の室内干し・浴室など)
  • 室内の換気が不十分(人の呼気や汗で自然に湿度が上がってしまう)


このいくつかに当てはまるお宅は、窓に結露が起こりやすい状態になります。

ポイント

結露は、窓が濡れてカビが繁殖するだけではなく、住む人の健康や建物の耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。


放置するリスク

窓の結露やカビを放置すると、以下のようなリスクがあるので注意しましょう。

  • カビの発生・繁殖による健康被害(カビ胞子によるアレルギー反応や呼吸器疾患、皮膚炎を引き起こすリスク)
  • 木材腐朽菌の発生・繁殖(木造住宅の場合は土台や柱など主要な構造体が腐食して耐久性が低くなる)
  • シロアリの繁殖(シロアリは湿って柔らかくなった木材を好んで食べるため、主要な構造体の耐久性が低くなる)
  • 見た目の悪化(常に外気に触れる可能性のある窓はカビ菌を根絶しにくい)

(参考:厚生労働省|応急仮設住宅生活における真菌(カビ)及びダニ対策について

木材腐朽菌とシロアリの発生条件はカビ菌の好む温度・湿度環境と似ているため、カビの繁殖を長期間放置している家は、既に木材腐朽菌やシロアリの被害を受けている可能性があるので注意しましょう。(参考:一般財団法人住宅金融普及協会|住まいの腐朽と対策

ポイント

黒カビの発生を根本から解決することは、木材腐朽菌とシロアリの防止対策につながります。

家をきれいに長持ちさせたい方は、早めに窓の結露対策を検討しましょう。




窓周り木枠のカビ取り方法

窓周り木枠のカビ取り方法

既に窓枠にたくさん黒カビが発生していてどうにかしたい方は、「3つの方法」を試してみましょう。

消毒用エタノールで拭き取る

消毒用エタノールをタオルなどに染み込ませてカビが生えている部分を拭き取ると、カビ菌の繁殖を抑えて殺菌できます。

木材用クリーナーで掃除する

手垢などの汚れやカビを落とす木材(白木)用クリーナーが市販されています。

やすりがけして塗装する

カビの生えた木枠表面をサンドペーパーなどでやすりがけしてその上から再塗装すると、見違えるようにきれいになります。


ただし、これら全ての方法にはデメリットがあるため注意してください。

  • エタノールやクリーナーは、奥まで深く繁殖している黒カビには効果がない
  • 木枠の塗装種類によっては、アルコール成分がつくと白化する可能性がある
  • 木材用クリーナーの多くには漂白剤が含まれているため、変色の可能性がある
  • ハイターなど殺菌効果の強い液体は次亜塩素酸ナトリウムを含む強いアルカリ性なので、木材の表面を劣化させる
  • 木枠の種類によっては表面をやすりがけすると素材の違う下地が見えてきて塗装してもきれいに仕上がらない



窓周りパッキンのカビ取り方法

窓周りパッキンのカビ取り方法

窓ガラス周りのパッキンに発生した黒カビも、見た目があまり良くないので気になりますよね。

目立つ場合は3つの方法を試してみましょう。

溜まったホコリを取る

ホコリはカビの発生条件である「養分」になるため、積もったホコリに結露の水が付着してしつこい汚れになると、カビ菌の温床になってしまいます。

カビ取り剤を使う

浴室などで使うゴムパッキン用のカビ取り剤を使うと、白くきれいな状態に戻る可能性があります。

重曹とクエン酸を使う

カビ取り剤小さいお子様やペットを飼っているご家庭ではカビ取り剤を使うのをためらう方もいらっしゃるでしょう。

その場合は、重曹とその半量の水を混ぜたペーストをパッキンに塗り、その上から水で薄めたクエン酸を吹きかけると、炭酸ガスが発生してカビを浮かせます。

ただし、カビがそれほど繁殖していない初期の状態であればある程度きれいになりますが、深くまで繁殖した黒カビにはあまり効果はありません。


ポイントは、これらの方法にもデメリットがある点です。

  • カビ菌を根こそぎ取れない
  • しつこい黒カビはきれいにならない
  • 漂白成分の含まれる薬品を使うと、パッキンが劣化して弾力性を失い、ひび割れてくる可能性がある


ポイント

木枠やパッキンのカビ取りは、あくまでの一時的な対処方法であり、カビの発生原因がなくなっていなければキリがありません。
一時的にきれいになっても根本的な解決にはなりませんので注意しましょう。




窓周りのカビを根本的に解決する方法と費用目安

窓周りのカビを根本的に解決する方法と費用目安

窓周りのカビを根本的に解決するためには「結露」を防ぐことが最も重要です。

具体的には4つの方法がありますので、段階的に試してみましょう。

外窓の建て付けを調節して気密性を上げる

それほど古い家でなければ、外窓の建て付けを調節して気密性を上げると結露が軽減するかもしれません。

ただし、この方法はあくまでも比較的新しい窓サッシと断熱ガラスが設置されている場合に限ります。

気密性を高めても窓そのものの断熱性が低ければ、結露は止まらないので注意しましょう。

断熱性の高いガラスへ交換する

結露は面積の広いガラスから主に発生します。

現状、窓サッシに単板ガラス(一枚ガラス)など断熱性のないガラスが入っている場合は、Low-E複層ガラスや真空ガラスへ交換しましょう。

ガラスの種類特徴
Low-E複層ガラスガラスの表面に特殊な金属膜が貼られているペアガラスで、高い断熱性を発揮する
真空ガラスペアガラスの間の層が真空になっているため、最高峰の断熱性を発揮する

ただし、古いサッシ枠だと溝の幅が足らずにペアガラスを入れられなかったり、枠そのものの断熱性が低くガラスの結露は止められても枠から結露が発生したりする可能性があります。

内窓をつける

外窓の内側にもう1組の窓をつけると、2組の窓の間に大きな空気層ができて断熱性能が高まります。

結露対策で内窓をつける場合は、Low-E複層ガラスや真空ガラスと組み合わせるのがおすすめです。

ガラスの種類特徴
単板ガラス
(5mm厚)
製品代:21,060円
工事費:50,000円
消費税:7,106円
合計78,166円
ペアガラス
(Low-E複層アルゴンガス入り)
製品代:31,860円
工事費:50,000円
消費税:8,186円
合計90,046円

YKK apプラマードU(洋室用)の場合
※“窓一番”へご相談いただいた場合(2024年11月時点の価格)
※W900H800サイズ・2枚引き違い窓の場合
※工事費は1箇所のみの場合


ただし、内窓をつけても外窓の気密性が高くないと断熱効果はあまり実感できません。

そのため、内窓を設置する場合は外窓の気密性があるかを専門業者に確認してもらいましょう。

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外窓を交換する

最も効果があり確実に結露対策できる方法が「外窓の交換」です。

一般的なアルミサッシの寿命は20〜30年程度なので、既に築20年を超えているお宅は、外窓の交換をご検討ください。

内窓のように窓の開閉や掃除の手間が増えることはありませんし、見た目が一新するためきれいで明るい窓になります。

ポイント

既存窓サッシ枠を残してその上から新規のサッシ枠を被せる「カバー工法」を用いると、壁や床の解体・復旧工事が必要ないため、コストを抑えて短時間で窓リフォームできます。


方法費用目安
樹脂窓+Low-E複層ガラス

Low-E複層ガラス
製品代:194,840円
工事費:30,000円
消費税:22,484円
合計247,324円
アルミ樹脂複合窓

Low-E複層ガラス
製品代:174,600円
工事費:30,000円
消費税:20,460円
合計225,060円

YKK apマドリモ(洋室用)の場合
※“窓一番”へご相談いただいた場合(2024年11月時点の価格)
※W900H800サイズ・2枚引き違い窓の場合
※網戸・外部モールありの場合
※工事費は1箇所のみの場合

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ポイント

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賃貸物件・マンションのカビ取り・リフォームは“要注意”

賃貸物件・マンションの窓掃除・リフォームは“要注意”

賃貸物件やマンションにお住まいの方は、カビ取りや窓リフォームする前に注意すべき点があります。

賃貸物件(戸建・アパート・マンション)

カビ取りで漂白系の薬剤を使って枠やパッキンが変色してしまうと、退去時に補修費用を請求される可能性があります。

些細なカビ取りでも、事前に管理会社などへ報告しておくと安心です。

カビがついても極度に掃除を怠ったり過剰に加湿器を使っていたりしない限り、賃借人(借主)が責任を問われることは少ないので、所有者へ結露対策の工事をしてほしい旨を伝えてみましょう。

分譲マンション

窓周りの木枠は「専有部分」に含まれるため、区分所有者の意思で塗装し直したり内窓をつけたりすることは問題ありません。

しかし、窓ガラスと窓サッシは「共用部分」に含まれるため、管理組合の規約によって個人の意思で交換・修理できないのが通常です。

ただし、国土交通省の公表しているマンション標準管理規約では、以下のような条文が含まれています。

第22条(窓ガラス等の改良)
共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。

(引用元:国土交通省|マンション標準管理規約(単棟型)


そのため、一般的な内容の管理規約を用いているマンションであれば、管理組合の協議はあるものの、窓ガラスや外窓の交換が認められる可能性があります。

また、築年数の経っているマンションでは、大規模修繕工事の一部として修繕積立金を使い全戸一斉に窓交換する事例も珍しくありません。

分譲マンションで窓のカビ・結露でお悩みの方は、まず管理組合へ相談してみることをおすすめします。





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