【窓サッシのガラス交換】タイミング・メリットとデメリット・費用目安を解説

【窓サッシのガラス交換】タイミング・メリットとデメリット・費用目安を解説


「サッシの窓ガラスを交換したい」「割れた時に備えてかかるコストを確認しておきたい」という方のために、サッシのガラス交換について「タイミングの決め方・ガラスの種類・費用目安・メリットとデメリット」を詳しく解説します。

そのほか、サッシごとの交換についてや多くの方からご質問いただくDIYや補助金などについてもお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムで分かること

●窓ガラスを交換する際は、破損原因や部屋の用途、予算に合わせてガラスを選びましょう。

●住宅の築年数によっては、ガラスだけではなくサッシごと交換した方が良いケースもあります。

●“窓一番”は、1966年創業以来、埼玉県随一の「外窓・内窓・玄関ドア工事」の事例数を誇り、同グループ内には住宅リフォーム専門部署もありますので、総合的にあなたのお悩みを解決できます。



窓ガラスを交換するタイミングの決め方

窓ガラスを交換するタイミングの決め方


サッシの窓ガラスを交換するタイミングはお客様によって様々で、なぜ窓ガラスを交換したいのかによって適したガラスの種類や工法は異なります。

では、まずよくある交換のタイミングを見てみましょう。

大きな破損

台風時に飛来物によって窓ガラスが割れるケースは珍しくありません。

また、室内側から家具や人が当たってガラスが割れる可能性もあります。

窓ガラスが大きく破損すれば日常生活もままならなくなるため、至急ガラス交換が必要です。

ひび割れ(熱割れなど)

物がぶつかっていなくても熱割れなどによってガラスに小さなヒビ割れが生じる可能性があります。

この場合、緊急性はそれほど高くありませんが、放置するとある日突然ガラス全体が割れ落ちるリスクがあるため、見つけ次第ガラス交換を検討しましょう。

〈おすすめコラム〉
窓ガラスの“熱割れ”が多発|夏に知っておきたい原因と対策、保険についても


見た目の劣化

「ガラスは拭き掃除すれば見た目はずっと変わらない」と思われがちですが、実はそうではありません。

透明ガラスでも雨に当たり続けることでアルカリ成分によって段々とすりガラスのように見た目がくすんできたり、砂などによって細かなキズが付いたりするのが一般的です。

また、日射熱による変形や紫外線による変色を引き起こすガラスもあります。

そのため、「窓の透明度が落ちた」などの理由でガラス交換する方もいらっしゃいます。

暑さ・寒さや結露

最近増えているのが、窓の断熱性を高めるためのガラス交換です。

窓や玄関ドアなどの開口部からは熱気・冷気が多く出入りします。

屋内外で夏の冷房使用時に出入りする熱の73%、冬の暖房使用時に流失する暖気の58%が窓などからによるものというデータもあるほどです。(参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会|Q&A|開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?

そのため、窓辺の暑さ・寒さやガラス表面の結露にお悩みの方でガラス交換を検討している方は少なくありません。

ポイント

サッシの窓ガラス交換をする際は、「なぜ交換したいのか」の理由を明確にすることが重要です。

交換のきっかけによって適したガラスの種類は異なります。



窓ガラスの種類と交換費用目安

窓ガラスの種類と交換費用目安


サッシの窓ガラス交換と言っても、お客様によって適したガラスの種類は異なります。

また、どのようなガラスへ取り替えるのかによってかかるコストが変わる点も重要なポイントです。

ガラスの種類

ガラスの種類特徴・用途
透明単板ガラス
(フロートガラス)
一般的に住宅の窓へ設置される透明ガラスで、最も安価に交換できる。
型板ガラスガラスの片面に凹凸模様のあるガラスで、浴室やトイレなどプライバシーを確保したい場所に設置される。
すり板ガラス
くもりガラス
すり板ガラス・くもりガラスは、フロートガラスの片面に細かなキズを付けて透明度を下げたガラスで、プライバシーを確保したい場所や和室に設置する障子スタイルの内窓などに設置される。
汚れが落ちにくく水に濡れたりテープを貼ったりすると部分的に透明になる場合があるので要注意。
網入りガラス
(ワイヤー入りガラス)
割れても破片が飛散しにくいため、火災時に延焼のリスクが高い場所に採用される。
建築基準法によって「防火地域・準防火地域」内の建物では網入りガラスにしなくてはいけないため、交換の時には要注意。
複層ガラス
(ペアガラス)
2枚のガラスの間に中空層(空気層)があるタイプで、高い断熱性をもつ。
2枚のガラスのうち1枚を防犯ガラスや網入りガラスなどに変更することも可能。
Low-E複層ガラスペアガラスの内側を特殊金属膜でコーティングしてさらに日射熱をブロックできるガラス。
通常のペアガラスよりも遮熱・断熱性が高く、省エネ性を高めたい場合におすすめ。
トリプルガラスペアガラスと似た構造だが、ガラス3枚と中空層2層で構成される。
ペアガラスよりも遮熱・断熱性は高いがガラス重量が重くなるため要注意。
また、分厚いため既存サッシには設置できない可能性が高い。
防犯ガラス
(防災防犯ガラス)
ガラス2枚の間に耐貫通性の高いフィルムを挟み込んだ合わせガラス。
ガラスを破られても貫通できないため空き巣などの侵入を防げる。
防音ガラス
遮音ガラス
防犯ガラスと似た構造で、外部からの騒音を遮断するだけではなく、室内からの音漏れも防げる。


交換費用目安

ガラスの種類費用目安(材料・工事費とも)
※80×80cmサイズ1枚の場合
透明単板ガラス
(フロートガラス)
約13,000円~
型板ガラス約13,000円~
すり板ガラス
くもりガラス
約13,000円~
網入りガラス
(ワイヤー入りガラス)
約18,000円~
複層ガラス
(ペアガラス)
約28,000円~
Low-E複層ガラス約31,000円~
トリプルガラス約40,000円~
防犯ガラス
(防災防犯ガラス)
約20,000円~
防音ガラス
遮音ガラス
約55,000円~
(上記費用は目安です。ガラス厚さなどによって価格が異なりますので、詳細は施工会社へご確認ください。)



窓ガラスの交換工事で使える補助金

窓ガラス交換で使える補助金


窓ガラスを交換する際、ガラスの種類によっては補助金を利用できます。

ただし、あくまでも補助金の対象となるのは「断熱性アップ・省エネ性アップ」を実現できる工事に限られます。

補助事業対象となるガラス交換
子育てエコホーム支援事業(リフォーム)複層ガラス・Low-E複層ガラスへの交換工事(UW1.9以下)※
先進的窓リノベ事業2024複層ガラス・Low-E複層ガラスへの交換工事(UW1.9以下)※
【全国対象】既存住宅の断熱リフォーム支援事業複層ガラス・Low-E複層ガラスへの交換工事(補助対象製品を使用した場合)
UW:窓の断熱性能を表す指標で、数値が0に近い程、熱が伝わりにくく断熱性が高いことを意味する。


この中でも「先進的窓リノベ事業2024」は、断熱ガラスへの交換や外窓交換をすると一戸あたり「最高200万円」の補助金を受け取れますので、ぜひ詳細をご確認ください。

※受付締切を2024年12月31日までとしていますが、申請額が予算額に達した時点で受付終了となります。

そのほか、各自治体で独自の助成制度を実施しているところもあるので、詳しくは役所などへ事前に問い合わせてみましょう。

〈おすすめコラム〉
【2024先進的窓リノベ事業】窓の断熱リフォーム補助金を“確実に”もらうためのポイント


内窓補助金




窓ガラス交換工事の流れ


ガラス交換の作業は短い時間で終了するのが一般的ですが、その前に現場調査や採寸、メーカー納期の日数が必要な場合もあるため、事前に流れを把握しておきましょう。

現場調査・採寸

まずは施工会社が現地を訪れて、既存のガラスの種類やサッシの状態を確認し、採寸します。

作業時間は1時間程度が一般的です。

矢印

施工会社によるメーカー発注

フロートガラスや型板ガラスなどは施工会社でガラスをカット加工できますが、ペアガラスなどの高性能ガラスは現場で裁断できません。

そのため、場合によっては採寸したサイズを踏まえてガラスをメーカーへ発注し、納期を待つ必要があります。

通常は1〜2週間で納品されますが、補助金の受付締切直前など製造が集中する時期は1ヶ月程度かかる可能性もあるので余裕を持ってスケジュールを組みましょう。

矢印

【施工日当日】

①養生作業
作業スペースや搬入出経路が汚れたりキズつかないように保護します。

②既存サッシの障子取り外し
既存サッシ枠からガラスがはめ込まれている障子部分を外します。

③ガラス交換
ガラスを固定しているビスを障子から外して新規ガラスへ交換します。
コーキング作業を伴う場合は表面が乾燥するまで1時間程度かかります。

④障子の取り付け
サッシ枠へ障子を戻して建て付けを確認します。

⑤清掃・片付け

ここまでの作業で1カ所あたり30分〜1時間程度かかります。


ポイント

「窓ガラスが破損してすぐにどうにかして欲しいが、ペアガラスに変えたい」という場合も、納期を待つ間に仮でフロートガラスをはめておく方法もあります。

詳しくは施工会社へご相談ください。




窓ガラス交換のメリットとデメリット・注意点

窓ガラス交換のメリットとデメリット・注意点


サッシの窓ガラス交換にはメリットとデメリットの両方がありますので、事前にチェックしておきましょう。

メリット

  • 断熱性アップ・結露防止・省エネ
    窓ガラスをペアガラスなどへ取り替えると、ガラス面から出入りする熱や冷気を大幅に減らせるため、結露を防げて省エネ(光熱費削減)につながります。
  • 遮熱性アップ
    遮熱効果のあるガラスへ交換すると、日当たりの良い窓でも窓辺の暑さを軽減できます。
  • 防音性アップ
    防音ガラスは、外の騒音に悩まされている住宅や、小さいお子さまの鳴き声や楽器の音が漏れるのを防ぎたい住宅におすすめです。
  • 防犯性アップ
    人が侵入できる大きな窓ガラスを防犯ガラスへ交換すると、空き巣などの侵入を防げます。
  • 防災性アップ
    防災防犯ガラスへ交換すると、台風の際に飛来物や風圧によるガラス脱落を防げます。
  • プライバシー性アップ
    透明ガラスから型板ガラスなどへ取り替えると、外からの視線が気にならなくなります。ペアガラスやLow-Eガラスも組み込めるため、断熱性アップも両方叶えたい方におすすめです。



デメリット・注意点

  • サッシ枠の「熱の出入り」や「結露」は防げない
    サッシが古いと枠からも熱が出入りして結露や熱損失を引き起こします。ガラスのみ高断熱になると枠の結露がひどくなる可能性が高いので注意しましょう。
  • ガラス1枚だけ交換しても断熱効果は低い
    部屋内に複数の窓がある場合、そのうちの1カ所(1枚)のガラスだけ取り替えても、断熱・省エネ効果はあまり実感できません。
  • 建て付けは改善されない(開閉しづらくなる可能性がある)
    ガラスを変えただけではサッシの建て付けは改善されません。また、古いサッシにペアガラスなどを入れると重さで建て付けが悪くなるケースもあります。
  • 既存サッシに厚いガラスやペアガラスを入れられない可能性がある
    既存サッシのガラス溝形状や引き違い窓の障子と障子の隙間によっては、分厚いガラスやペアガラスを入れられない可能性があります。
  • 古いサッシはガラスを交換してもその後別の場所を取り替えなくてはいけない
    ガラスだけ新しくなってもその後サッシ枠を交換しなくてはいけない可能性があり、ガラス工事が無駄になるリスクがあります。(アルミサッシ枠の寿命は20〜30年)


ポイント

新築時から窓サッシを一度も交換したことのない住宅の場合、築年数によってはガラスだけではなく窓サッシごと交換した方が良い場合があります。

気になる方は、施工会社に現地を細かくチェックしてもらいましょう。




築20年以上の家は「窓サッシごとのリフォーム」がおすすめ

築20年以上の家は「窓サッシごとの交換」がおすすめ


一般的に住宅へ設置されているアルミサッシの寿命は20〜30年とされており、クレセントや戸車はさらに早い期間で摩耗して交換が必要になります。

そのため、築20年以上経っていて今まで窓リフォームを一度もしたことがない方は、ガラス交換の際に窓サッシまるごとの交換も合わせてご検討ください。

サッシごと交換するメリットは以下の通りです。

  • 断熱性・遮熱性がさらに高まる
    近年普及している樹脂系サッシは、従来のアルミサッシよりも熱伝導率が低く、サッシ枠の断熱性や遮熱性も高まり、より高い省エネ効果を得られます。
  • 気密性が高まる
    新しいサッシに取り替えると気密性が高まって隙間風が気にならなくなります。
  • 建て付けが良くなる(開閉がスムーズになる)
    新しいサッシはペアガラスと組み合わせることが前提になっているため、重いガラスを入れてもスムーズに開閉できます。
  • 細かい部品も一新できる
    クレセントや戸車も高性能なものに一新されます。
  • カバー工法なら交換工事は数時間で完了
    既存窓サッシ枠を外さずにその上から新規サッシ枠を被せるカバー工法でしたら、1カ所あたり数時間で作業が完了し、内装補修などの付帯工事も不要です。
  • 補助金額が増えてハイコスパ
    ガラス交換だけの場合と比べてサッシごと取り替えると補助金額が増えて、お得に住宅性能がアップします。


このように、築年数の経った家の場合はガラスだけではなくサッシを丸ごと交換した方が良いケースも多く、たくさんの方からご相談いただいております。

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【FAQ】窓サッシ・ガラス交換に関するよくある質問

【FAQ】窓サッシ・ガラス交換に関するよくある質問


最後に窓ガラスの交換を検討されている方からよくいただく質問を紹介します。

Q.「窓ガラスの寿命・耐用年数はどのくらい?」

ガラスの種類によって寿命や交換のタイミングは異なります。

ガラスの種類寿命(耐用年数)の目安
透明単板ガラス(フロートガラス)
型板ガラス
すりガラス・くもりガラス
20〜30年
(汚れ・細かいキズ・くすみ)
網入りガラス(ワイヤー入りガラス)20〜30年
(ワイヤーの腐食)
ペアガラス10〜20年
(気密性低下による内部結露)
合わせガラス(防犯・防音ガラスなど)10〜30年
(汚れ・細かいキズ・くすみ)
(上記年数は目安です。設置場所によって前後する可能性がありますので、詳しくは施工会社へご確認ください。)


Q.「窓ガラスの交換はDIYでもできる?」

DIYでもできますが、採寸や運搬など注意しなくてはいけない点がいくつかあります。

  • 細かい採寸が難しく、ペアガラスなどは少しのサイズ違いでも交換できない。
  • 大きな窓ガラスを運搬する際は破損するリスクがある。
  • 補助金を申請できない。(補助金の中には認定を受けた事業者でなければ申請できないものも)


そのため「コストを抑えるためにDIYでガラスを交換する」とお考えの方も、一度プロへ金額を相談してみましょう。

Q.「ガラスやサッシの交換はホームセンター・専門施工会社のどちらで頼むべき?」

窓ガラスやサッシの交換はホームセンターでも専門の施工会社でも仕上がりにあまり差はありません。

ただし、古い住宅の場合は作業をする際にオプションの部材が必要になったり施工方法を変えなくてはいけないケースもあります。

その場合、サッシ専門の施工会社でしたら臨機応変に対応できます。

価格面を比較したい方は、両方へ見積もり依頼するのもおすすめです。

施工会社の方がサッシやガラスの取扱量が多く、中間マージンがかからないため、リーズナブルに窓リフォームできる可能性が高いでしょう。

Q.「マンションや賃貸物件でも窓ガラスやサッシは変えられる?」

マンションの窓サッシやガラスは共用部に該当するため、区分所有者個人の希望で交換できません。

ただし、2024年に改正された国土交通省作成の「マンション標準管理規約(単棟型)」では、窓ガラスや窓サッシの交換が防犯や防音、断熱性向上などの理由であれば管理組合もしくは区分所有者の費用負担でリフォームできる内容へ変更されました。(参考:国土交通省|マンション標準管理規約(単棟型)

賃貸住宅にお住まいの方は、業者を手配する前に必ず大家さんもしくは管理している不動産会社へ相談しましょう。

Q.「ガラスや窓サッシの交換で保険は使える?」

台風や地震で窓ガラスが割れた場合は火災保険で修理費用をカバーできる可能性があります。

また、窓を開閉できなくなるほど破損・変形した場合も同様に、サッシの交換費用も保証されるかもしれません。

ただし、火災保険の保証内容に地震や風災(台風・暴風・竜巻・旋風)による被害が含まれているか事前にチェックしましょう。

また、修理費用が免責金額(最低限自己負担しなくてはいけない額)以下の場合は保険金が出ませんので注意してください。




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