結露は“夏・梅雨”も要注意|原因や冬との違い、対策、補助金について解説

窓ガラスの結露と聞くと冬のイメージが強いですよね。
しかし、実は夏や梅雨にも注意が必要です。
今回は「夏・梅雨の結露」について、冬との違いや原因と対策、それぞれにかかる費用を詳しく解説します。
結露対策に使えるお得な補助金も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
● 夏型結露は窓ガラスや床下・壁内などに発生して、建物や住む人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
● ガラスの結露を防止するための対策として最も有効な方法は、窓の断熱リフォームです。
● 窓リフォームは、1966年創業以来埼玉県随一の「内窓・外窓・玄関ドア工事」施工事例数を誇る“窓一番”にお任せください。
目次
夏・梅雨に窓ガラスが結露する原因

結露は冬に発生するイメージが強いですが、夏や梅雨の時期に発生する「夏型結露」にも注意しましょう。
夏型結露は建材に含まれた湿気が温度の上昇に伴い外へ放出されて、それがエアコンの冷気で冷やされることが原因です。
窓ガラスの表面だけではなく、住宅の床下や壁内にも発生することから、内部結露と呼ばれる場合もあります。
結露の原因について知る際にキーワードとなるのが、「露点温度」です。
露点(ろてん)温度とは、湿った空気が冷却された時に抱えきれなくなった水分が結露し始める温度を指します。
窓ガラスの夏型結露は、ガラスの表面温度が20・30・40℃に達した際に、空気中の湿度によってはエアコンによって表面温度が下がって露点温度を下回ることが一因です。
相対湿度 | 露点温度 (温度20℃) | 露点温度 (温度30℃) | 露点温度 (温度30℃) |
---|---|---|---|
80% | 16.4℃ | 26.1℃ | 35.9℃ |
70% | 14.4℃ | 23.9℃ | 33.5℃ |
60% | 12.0℃ | 21.4℃ | 30.7℃ |
50% | 9.3℃ | 18.4℃ | 27.6℃ |
40% | 6.0℃ | 15.0℃ | 23.8℃ |
30% | 1.9℃ | 10.5℃ | 19.1℃ |
20% | -3.2℃ | 4.6℃ | 12.8℃ |
南側や西側など直射日光の当たる窓ではガラスの屋外側表面が40℃を超えるケースも珍しくありません。
単板(一枚)ガラスでしたら、その熱が室内側にも伝わって、エアコンの冷気によって結露が発生してしまいます。
室内の湿度が上がる梅雨や、ガラス表面の温度が上がりやすい夏の時期は、冬と同じく窓ガラスが結露する可能性があります。
窓ガラスの断熱性が低い家や、窓の気密性が低くて室内の湿度が上がりやすい家は、特に注意しましょう。
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夏型結露と冬型結露の違い

夏に発生する夏型結露と、冬に発生する冬型結露は、どちらも空気中の水分が飽和状態になって現れる点に違いがありません。
しかしそれまでのプロセスが少し異なります。
夏型結露
- 床下・壁内・室内に溜まった高温多湿の空気と、エアコンによって冷却された空気との温度差によって結露する
- 冬型結露と比べてガラス表面の結露水分量は少ないが、放置するリスクは変わらない
冬型結露
- 暖房によって温められた室内の空気が、外気によって冷却されたガラスに触れて、その温度差によって結露する
- 夏型結露よりもガラス表面の結露水分量は多い
夏型結露はガラス表面だけではなく壁内など見えない部分にも発生しますが、冬型結露は基本的にガラスや玄関ドア表面など室内の空気に直接さらされる部分だけに現れます。
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窓ガラスの結露を放置する“リスク”

結露の水がもたらすリスクは、単に窓周りなどが濡れるだけではありません。
建物や快適性、住む人の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
建物への影響
夏型結露は窓ガラスの表面に加えて、壁の中など見えない部分にまで発生するため、冬型結露よりも建物に与えるリスクが大きいとされています。
カビの繁殖
- 窓枠や天井、床、壁など見えるところに繁殖すると、美観を損ねる
木材腐朽菌の繁殖
- 木材腐朽菌が窓枠や柱、土台に繁殖すると、腐食して耐久性が損なわれる
シロアリの繁殖
- 柱、土台に繁殖すると、深刻な蟻害(ぎがい)をもたらし、耐久性が損なわれる
ポイントは、「カビ・木材腐朽菌・シロアリの繁殖条件に共通するところが多い」点です。
種類 | 繁殖条件 |
---|---|
カビ菌 | ・繁殖に必要な養分(木材成分・ホコリ・食べかすなど)がある ・20〜30℃前後の温度環境である(28℃前後が最も活発) ・空気中の湿度が60%以上である ・酸素がある |
木材腐朽菌 | ・繁殖に必要な養分(木材成分)がある ・20〜30℃前後の温度環境である ・木材の含水率が20%以上である=空気中の湿度が高い ・酸素がある |
シロアリ | ・繁殖に必要な養分(木材成分)がある ・10〜40℃の温度環境である(15〜30℃が最も活発) ・空気中の湿度が60%以上である ・酸素がある |
このように、カビ菌・木材腐朽菌・シロアリは、結露が発生して周囲の木部などが湿ると繁殖します。
健康への影響
窓周りの木枠や壁・床などにカビが生えると、その胞子が空気中に舞い散り人が吸い込むことでアレルギー反応や呼吸器疾患、アトピー性皮膚炎の原因になる可能性があります。
(参考:厚生労働省|科学的根拠に基づく シックハウス症候群に関する相談マニュアル)
また、カビの胞子は生物の健康を害する揮発性有機化合物(MVOC※)を発すると言われていることから、室内のカビは極力防がなくてはいけません。
※MOV:Microbial Volatile Organic Compoundsの略称で、カビ菌などが代謝する時に放出する揮発性有機化合物。シックハウス症候群の原因物質とも言われている。
結露によって室内の湿度が高くなり建物や健康に影響を及ぼす状態を「ダンプネス」と呼び、WHO(世界保健機構)でもその健康リスクを指摘しています。
(参考:WHO|WHO guidelines for indoor air quality : dampness and mould)
結露は単に窓が濡れる不快さだけではなく、家の寿命を縮めたり健康被害をもたらしたりする可能性がある問題です。
そのため、冬だけではなく夏・梅雨の結露にも注意を払って、事前に防止策を取っておくことが重要になります。
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夏・梅雨の結露を防ぐ方法と対策
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夏型結露、特に窓ガラスの結露を防止する方法は、主に6つあります。
室内をこまめに換気する
室内に湿気がこもらないようにこまめな換気が必要です。
ただし、エアコンをつけている時に窓を開け閉めすると空調効率が一気に下がるので、24時間換気システムやキッチンフード(換気扇)などを使う方法をおすすめします。
通気性を良くする
夏型結露は通気性の悪い場所に起こります。
窓の前に家具が置いてある場所や、収納内部などには特に注意しましょう。
結露だけではなく、カビなどの繁殖も、通気性を良くすると防止できます。
そのため、以下の点に気をつけて通気を確保しましょう。
- 窓の前に大きなものを置かない
- 壁から家具を離す
- 湿気をもたらす環境植物などを壁や窓の近くに置かない
- 押入れやクローゼットは常に少しだけ開けておく
- 特に湿度の高い天気の時には、扇風機やサーキュレーターを回し続ける
除湿する
換気は結露対策として有効ですが、梅雨など長雨の時期はなかなか室内の湿度が下がりません。
そのような時には、エアコンの除湿モードや除湿器を使いましょう。
収納内部には専用の除湿剤を入れる方法がおすすめです。
室温を下げすぎない
夏型結露は窓や外壁など外気に触れる部分が熱くなり、それが冷たい室内の空気で冷却されることによって発生します。
そのため、室温を下げすぎない方法も結露対策として効果的です。
蒸し暑い日には温度を下げず、湿度を下げる方法をとってみましょう。
室内の湿度が下がると汗が蒸発しやすくなり、体感温度も低くなります。
(参考:厚生労働省|暑さ指数(WBGT値))
屋外に日除けを設置する
屋外に日除けやグリーンカーテンを設けると、窓ガラスや外壁が日射熱によって熱くなりにくく、夏型結露の防止につながります。
ただし、庇(ひさし)など窓の上部に設置するものは、太陽高度が低い夕方の西陽などをブロックできません。
そのため、方角に合わせて適切な日射熱対策をとる必要があります。
窓の断熱性を高める
換気や室温調整は窓ガラスの結露防止に一定の効果があるものの、完璧ではありません。
窓の夏型結露・冬型結露どちらも根本的に解決したい方は、断熱リフォームを検討しましょう。
例えば、窓ガラスを複層ガラスに変えると、室内側まで暑さ・寒さが伝わるのを防げるため、結露を大幅に軽減できます。
窓ガラスの熱貫流率※を比較すると、その差は歴然です。
※熱貫流率:熱の通しやすさ(伝わりやすさ)を評価する指標で、数値が小さいほど熱を通しにくく断熱性が高いことを意味する。
ガラスの種類 | 熱貫流率 [W/(㎡・K)] |
---|---|
単板(一枚)ガラス | 6.51 |
一般複層ガラス (ガラス3mm/空気層16mm/ガラス3mm) | 2.7 |
Low-E複層ガラス (ガラス3mm/アルゴンガス層16mm/Low-E膜ガラス3mm) | 1.1 |
Low-Eトリプルガラス (Low-E膜ガラス3mm/アルゴンガス層10mm/ガラス1.3mm/アルゴンガス層10mm/Low-E膜ガラス3mm) | 0.55 |
(参考:LIXIL|暮らしに合わせた窓選び、YKKAP|開口部の仕様別熱貫流率及び日射熱取得率とYKK APの適合製品一覧)
窓の断熱リフォームは、結露対策になるだけではなく、寒さ・暑さも軽減できます。
最近は、窓の防犯性能アップを兼ねてリフォームする方も少なくありません。
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夏・冬どちらの結露も防止できる窓リフォーム|種類・工事期間・費用目安

窓ガラスの夏型結露・冬型結露どちらも解消できるのが、窓リフォームです。
ただし、窓リフォームの方法はいくつかあり、それぞれメリット・デメリットや費用相場が異なりますので、その違いをチェックしておきましょう。
ガラス交換
最も手軽でコストを抑えられる窓の断熱リフォームは、窓ガラスのみの交換です。
メリット | ・コストを抑えられる ・工事時間が短い ・比較的新しい家は既存窓サッシが無駄にならない |
デメリット | ・サッシ枠の結露は止まらない ・建て付け不良は改善されない ・古いサッシに複層ガラスを入れると重さで開閉しづらくなる可能性がある ・ガラスだけ変えてもすぐにサッシ枠が故障する可能性がある |
工事期間 | 1カ所あたり1時間前後 |
費用目安 | 1カ所あたり50,000円〜(材料・工事合計) |
※上記費用は税別価格の目安
※掃き出し窓(Low-E複層ガラス)の場合
内窓設置
既存窓の内側にもう1セット窓を設けて二重にすることによって、断熱性が高まります。
メリット | ・外窓交換よりも費用を抑えられる ・外窓との間に大きな空気層ができて断熱効果が高い ・室内から見える窓がきれいになる |
デメリット | ・外窓の気密性や断熱性が低いと結露が止まらない ・室内側に圧迫感が出る ・窓の開閉や掃除の手間が2倍になる |
工事期間 | 1カ所あたり1〜2時間程度 |
費用目安 | 1カ所あたり158,300円 (材料:108,300円、工事:50,000円) |
※上記費用は税別価格
※“窓一番”へご相談いただいた場合(2025年5月時点の価格)
※YKKAP・プラマード/2枚引き違い/洋室用/W1800H2000/その他全て標準仕様の場合
外窓交換
外窓を高断熱サッシに変える方法もおすすめです。
窓周囲の壁や床を壊さず、既存窓サッシ枠に新しい枠を被せるカバー工法が主流です。
※カバー工法については〈窓の取り替えリフォーム〉“カバー工法”とは?方法や費用相場まで解説、【窓サッシのカバー工法】よくある後悔談とリフォームを失敗しないための対策、費用目安、FAQを徹底解説をごらんください。
メリット | ・室内と屋外両方の見た目がきれいになる ・建て付け不良やその他不具合も全て解消される ・最新のサッシは断熱性に加えて防犯性も高い ・重いガラスでも開閉がスムーズ |
デメリット | ・他の方法より費用が高い |
工事期間 | 1カ所あたり3〜4時間程度 |
費用目安 | 1カ所あたり320,170円(材料・工事合計) |
※上記費用は税別価格
※“窓一番”へご相談いただいた場合(2025年5月時点の価格)
※YKKAP・マドリモ/2枚引き違い/洋室用/アルミ樹脂複合サッシ/W1800H2000/網戸あり/その他全て標準仕様の場合
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窓の結露対策は補助金・減税制度が使える“今こそチャンス”

ガラスの結露や暑さ・寒さ対策として窓を断熱リフォームすると、補助金や減税制度の対象となる可能性があります。
先進的窓リノベ事業2025
内窓設置・外窓交換・ガラス交換をすると、1世帯あたり最高で「200万円」の補助金が支給されます。
2024年11月22日以降に工事していれば補助金の対象なので、最近窓リフォームした方も対象要件を確認してください。
対象工事 | 既存住宅の断熱性向上を実現できる「内窓設置・外窓および窓ガラス交換」 ※窓改修と同一契約の場合のみ、玄関ドア交換も対象 |
補助金額 | ガラス交換:5,000〜33,000円/ヶ所 内窓設置:12,000〜106,000円/ヶ所 外窓交換(カバー工法):62,000〜220,000円/ヶ所 ※1世帯あたり200万円が上限 ※グレード・サイズによって補助金額は異なる |
申請期限 | 遅くとも2025年末 ※ただし、申請金額が予算額に達した時点で期限を待たずに受付終了 |
※詳しくは速報「先進的窓リノベ事業2025」概要と補助金申請の注意点、2024年からの変更点を解説をご覧ください。
住宅リフォーム減税
窓や壁・天井・床を断熱リフォームすると、「所得税の税額控除」や「固定資産税の減額措置」を受けられる可能性があります。
(参考:国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について)
所得税 | 断熱改修工事にかかった「標準的な工事費用相当額」の10%分を控除 (上限130万円) |
固定資産税 | 断熱改修工事にかかった「標準的な工事費用相当額」の1/3分を翌年度分の固定資産税から減額 (工事金額が税込60万円以上のみ対象) |
補助金や減税制度の対象となるためには、それぞれの要件(申請者・施工会社・工事内容・製品の断熱性能のグレードなど)を全てクリアしなくてはいけません。
そのため、補助金や減税制度を利用してお得に窓を断熱リフォームしたい方は、施工実績と申請サポート実績が豊富な施工会社へ相談しましょう。

窓・玄関ドアリフォームは“窓一番”へご相談ください

私たち“窓一番”は、埼玉県でトップクラスの「内窓・外窓・玄関ドア交換」工事実績があります。
1966年創業以来、埼玉県随一のアルミサッシ取り扱い数を誇っており、戸建住宅からマンションまで窓・玄関ドアに関する多くのお悩みを解決してきました。
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