【玄関ドアの結露】リスクや原因、対策方法と価格目安、戸建・マンション・賃貸リフォームの違い

【玄関ドアの結露】リスクや原因、対策方法・価格目安、戸建・マンション・賃貸リフォームの違い

寒い季節に玄関ドアや窓ガラスの結露でお悩みの方は多いでしょう。

「拭いても拭いてもキリがない」「ドアや窓周りにカビが生えてきた」とお悩みの方は、玄関ドアの結露対策について考えてみましょう。

今回は玄関ドア・窓サッシの専門家が、「玄関ドアの結露」について発生原因やそのままにするリスク、具体的な対策方法を詳しく解説します。

戸建住宅・マンション・賃貸物件での対策方法の違いやその他注意点も紹介しますので、どうぞ最後までご覧ください。


このコラムで分かること

●玄関ドアの結露は「断熱性・気密性の低さ」と「室内の湿気」が原因です。

●玄関ドアの結露を放置すると家の寿命を縮める可能性があるため、早めの対策が必要です。

●“窓一番”は、1966年創業以来埼玉県随一の「玄関ドア・外窓・二重窓工事」の施工事例数を誇り、最適な工事プランの提案から補助金申請までお客様をサポートしております。



結露発生の仕組みと原因・リスク

結露発生の仕組みと放置するリスク

結露は、空気中に抱え込める水分量が限界値に達した時に水滴となって現れる現象です。

ここでキーワードとなるのが「飽和水蒸気量」です。

飽和水蒸気量とは空気1㎥で抱え込める水蒸気の質量を指し、空間の温度(気温)によって数値が異なり、温度が低い場合には飽和水蒸気量が少なくなり、温度が高くなると多くの水蒸気を抱え込みます。

(例)

温度飽和水蒸気量
10℃最大9.4g/㎥
20℃最大17.2g/㎥
30℃最大30.4g/㎥
(参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会|基礎知識(相対湿度と温度との関係)


ポイント

結露は、物質表面の温度が低下することでそれまで抱え込んでいた水蒸気が飽和状態になることで現れる現象です。

結露が発生するには湿度も大きく関係あり、湿度によって結露が発生する温度を露点温度と言います。


玄関ドアが結露する原因

実際には以下のような条件が揃うと玄関ドアに結露が発生します。

  • 室内玄関ホールの湿度が高い(加湿器の使用や洗濯物の室内干し)
  • 玄関ドアの断熱性が低い(冬にドア本体やガラス部分を触るとひんやり感じる)
  • 玄関ドアの気密性が低い(断熱ドアでも隙間から冷たい外気が入るとドアの表面温度が下がる)
  • 室内玄関ホールをストーブなどで温めている(冬は室温と外気温との差が大きくなる)
  • 室内玄関ホールの換気が不十分(人の呼気や汗で自然に湿度が上がってしまう)


このようなお宅は、玄関ドアの両面に触れる屋内外の温度差が大きくなり、結露が起こりやすい状態になります。

結露のリスクは、単に玄関ドアが濡れるだけではありません。

ポイント

玄関ドアや窓の結露を放置すると、ドア・窓そのものの劣化を早めるだけではなく、家や住む人の健康まで害してしまう可能性があります。


結露を放置するリスク

玄関ドアの結露によって発生した水分は、以下の現象を引き起こします。

  • カビの発生や繁殖(見た目が悪くなり、カビ胞子によるアレルギー反応や呼吸器疾患、皮膚炎を引き起こすリスクがある)
  • 木材腐朽菌の発生や繁殖(木造住宅の場合は土台や柱など主要な構造部が腐食して耐久性が低くなる)
  • シロアリの繁殖(シロアリは湿って柔らかくなった木材を好んで食べるため、主要な構造部の耐久性が低くなる)


カビ・木材腐朽菌・シロアリの発生条件は似ており、「温度条件」「酸素」「栄養分」「水分(湿度)」のどれか1つでも断つことができれば繁殖を食い止められるとされています。(参考:一般財団法人住宅金融普及協会|住まいの腐朽と対策

そのため、結露を防止するとカビ・木材腐朽菌・シロアリの被害を抑えられて家の寿命を延ばせるのです。



玄関ドアの結露対策|メリット・デメリットと価格目安

玄関ドアの結露対策|メリット・デメリットと価格目安

玄関ドアの結露対策にはいくつかの方法があり、それぞれかかる費用やメリット・デメリットは異なります。

ご予算や築年数に合わせて適した方法を選びましょう。

計画的に換気する

まず大切なのは、室内玄関ホールの湿度を上げないことです。

湿度が上がるほど露点温度が低くなり、少しの温度低下でも結露が発生します。

最近の住宅には24時間換気システムが設置されていますが、古い住宅は窓や自然給排気口をこまめに開ける方法しかない場合もあります。

それでは換気し忘れたり留守の間に防犯面で心配になったりするので、ドア交換を検討している方は「通風(採風)ドア」がおすすめです。

施錠したままで玄関ドアの窓を開けて換気できます。

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除湿機で湿度を下げる

ドア表面の温度低下による結露発生を少しでも抑えたい方は、室内の湿度を上げないことが重要です。

乾燥しやすい冬は室内で加湿器を使う方も多いかもしれませんが、玄関ホールの湿度は上げずに雨の日などは除湿機を使って湿度を少しでも下げましょう。

玄関に通じるホールや廊下に洗濯物を室内干しすると一気に空気中の湿度が上昇するため注意してください。

水蒸気を出さない暖房器具にする

石油ストーブやガスファンヒーター、セントラルヒーティングは、空気を温める過程で水蒸気が発生します。

水蒸気は室温が上がると徐々に乾燥して行きますが、一時的に湿気がこもるので注意しましょう。

玄関を温める際は、水蒸気のでないパネルヒーターや床暖房、電気ストーブ、オイルヒーターがおすすめです。

中性洗剤でドアを拭く・結露防止スプレーを使う

家庭用中性洗剤には界面活性剤が含まれており、水を弾く性質があります。

そのため、水で薄めてドアを拭くと一時的に結露の発生を抑えられます。

この原理を商品化した結露防止スプレーも市販されており、使ったことがある方もいらっしゃるでしょう。

表面に凹凸のあるガラスにはフィルムを貼れませんが、スプレーでしたら問題なく使えます。

ただし、中性洗剤と結露防止スプレーのどちらも効果は1週間程度と短く、大量の結露を防げる訳ではありません。

また、誤って酸性・アルカリ性の洗剤を使うとドアの面材が変色する可能性があるので注意しましょう。

方法価格目安
結露防止スプレー¥500〜1,000/本程度


 

断熱シート・結露防止シートを貼る

ドア本体やガラス表面に断熱シートや結露防止シート(フィルム)を貼る方法もあります。

コストを抑えたい方は気泡緩衝材(プチプチ)でも一定の効果を得られるので一度試してみることをおすすめします。

材料費はあまりかからずDIYでも簡単に対策できる点はメリットですが、見た目が悪くなり外気温が極端に低くなる場合は結露を防ぎきられないので注意しましょう。

また、密着させるタイプのシート材は凹凸のあるドアやガラスにはきれいに貼り付けられません。

方法価格目安
断熱シート¥100〜1,000/㎡程度
結露防止シート¥800〜2,000/㎡程度


玄関ドアを取り替える

最も効果が高く根本的に結露を防止できるのは「ドアごと取り替える」方法です。

玄関ドアの断熱性は年々向上しており、ドア本体の内部はもちろん、ドア枠の中にも断熱材が充填されています。

また、新しいドアに交換すると気密性が高まり、隙間風が入ってくるのも防げます。


方法価格目安
断熱ドアLIXIL/リシェント(16N):¥532,785
YKK ap/ドアリモ(C08):¥438,405
三協アルミ/ノバリス(B81):¥401,368
断熱+通風(採風)ドアLIXIL/リシェント(M84):¥455,570
YKK ap/ドアリモ(C11T):¥449,735
三協アルミ/ノバリス(H12):¥459,069

※“窓一番”へご相談いただいた場合(2024年11月時点の価格)
※新規ドア材料費+標準施工費+既存ドア処分費
※防火認定なし
※片開き・ランマなし・手動キー、その他全て標準仕様の場合

ポイント

アルミ製玄関ドアの寿命は20〜30年程度なので、築年数が20年を超えているお宅はドアの交換をご検討ください。

結露を防げるだけではなく、室内の暑さ・寒さ、防犯面での心配、見た目の劣化を全て一気に解決できます。


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玄関ドアの結露対策リフォームをする際の注意点

戸建住宅・マンションの結露対策には違いが

結露対策として玄関ドアリフォームを検討している方は、事前に知っておくべき注意点をチェックしておきましょう。

ドアの断熱性能にはグレードがある

結露対策として断熱性の高い玄関ドアを選ぶことはとても重要です。

ただし、玄関ドアの断熱性にはいくつかのグレードがあり、熱貫流率(熱の伝えやすさ)=U値で分類されます。

ご自宅のあるエリアによって適したドアは異なるので注意しましょう。

断熱グレード特徴
アルミ仕様断熱性能なし=結露が発生しやすい
K2仕様(LIXIL・三協アルミ)
D2仕様(YKKap)
アルミ仕様より断熱性が高く、冬にあまり寒くならない温暖な地域におすすめ
K4仕様(LIXIL・三協アルミ)
D4仕様(YKKap)
K2・D2仕様よりも断熱性が高く、関東以北の寒冷な地域におすすめ
高断熱仕様(LIXIL)K4・D4よりも断熱性が高く、北海道など極寒な地域におすすめ

ポイント

比較的気候の安定している関東エリアでも、結露を防いで玄関の寒さや暑さを軽減したい方には「K4・D4仕様」がおすすめです。

ドアの断熱材に加えてガラス部分は断熱性の高いLow-E複層ガラス、枠には断熱樹脂枠が採用されています。


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リフォーム用玄関ドアを選ばないとコストが高くなる

玄関ドアには新築用とリフォーム用があります。

既存住宅のドアを交換する場合は、カバー工法で施工できるリフォーム用玄関ドアを選びましょう。

ポイント

「カバー工法」とは、既存ドア枠を撤去せずにその上から新規ドア枠を被せてドアを吊り込む工法です。

壁や土間(床)中に埋め込まれた既存ドア枠を撤去する必要がないため、工事範囲は最小限でコストも抑えられ、数時間でドア交換できます。


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木製ドアは結露が少ないがリフォームしにくい

アルミドア熱伝導率が低く寒さ・暑さを通しにくい木製ドアにはほとんど結露が発生しません。

そのため、断熱性向上を目的として木製ドアを採用する方もいらっしゃいます。

ただし、木製ドアは雨や紫外線による劣化がアルミドアよりも早く、定期的な保護塗装も必要です。

また、交換する場合にはドア枠から撤去しなくてはいけないため、壁や土間を一部解体することになります。

対してアルミドアは交換する際に元々のドア枠を撤去しないカバー工法を用いるため、工事範囲が狭くコストも抑えられます。

窓の結露対策もセットで検討を

玄関ホールに窓があると、いくらドアを断熱性の高いものへ取り替えても、窓に熱の出入りが集中してガラスの結露がひどくなる可能性があります。

そのため、ドアに続く空間にある窓の断熱リフォームも併せて検討しましょう。

窓の内側にもう1セット内窓を付ける方法や、外窓自体をカバー工法で交換する方法がおすすめです。

ポイント

玄関ドアと窓の断熱リフォームを合わせて依頼できる会社がおすすめです。

出張費などの諸経費を圧縮でき、補助金申請までサポートできます。


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戸建・マンション・賃貸物件の結露対策には違いがある

戸建住宅の場合は持ち主の方の意思で玄関ドアの結露対策・断熱リフォームを依頼できますが、マンションや賃貸物件にお住まいの方は事前に注意点をチェックしておきましょう。

住宅の種類方法・注意点
分譲マンション玄関ドアは共用部に該当するため、区分所有者個人の意思でどんな工事もできません。
些細な部品の交換でも管理規約違反になるため、事前に管理組合へ相談しましょう。
築年数の経っているマンションでは、全戸一斉に大規模修繕工事の一環として玄関ドアを交換する可能性もあります。
賃貸物件
(戸建・アパート・マンション)
玄関ドアにキズのつかないフィルムやスプレーを使う方法でも、後で所有者とトラブルになる可能性があるので注意しましょう。
些細な対策でも事前に管理会社などへ報告しておくと安心です。
あまりに結露がひどい場合はその様子を写真や動画におさめて、所有者へ工事の要望を伝えてみることをおすすめします。








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