【浴室窓】断熱の重要性と寒さ対策・費用目安|おすすめの補助金や減税制度も
冬になると気になるのが「浴室の寒さ」ですよね。
浴室に窓があると、そこから伝わる冷気によってお風呂場全体が冷えてしまいます。
そこでこの季節に多くご相談いただくのが「浴室窓の断熱」についてです。
今回は、浴室窓を断熱する重要性とDIY・リフォームでできる具体的な方法、費用目安、関連する補助金・減税制度について詳しく解説します。
マンションや賃貸住宅での場合など、多くの方からよくいただく質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●浴室窓の断熱性が低いと、ヒートショックなどの健康リスクや結露によるカビのリスクが高まります。
●浴室窓の断熱性をアップする方法はいくつかあり、それぞれメリット・デメリットや費用目安は異なります。
●窓の断熱リフォームは、1966年創業以来埼玉県随一の「外窓・内窓・玄関ドア工事」施工事例数を誇る“窓一番”にお任せください。
目次
浴室窓を断熱する重要性と理由
近年は家の断熱性が重視されていますが、浴室は他の部屋や屋外と温度差が大きくなりやすいため特に寒さ対策が必要な場所です。
換気や圧迫感軽減の目的で浴室に窓を設置している家も少なくありませんが、窓は壁や天井よりも熱の出入りが大きい部位なので断熱性が快適性に大きく影響します。
では、浴室窓の断熱が重要な理由を紹介します。
ヒートショックの防止
高齢者の自宅内における死亡原因として最も多いのが、「風呂場での溺死」です。
その数は交通事故による死亡件数のおよそ2倍にも匹敵します。(参考:消費者庁|高齢者の事故に関するデータとアドバイス等 |65歳以上の不慮の事故による死因別死亡数)
お風呂場での事故原因は、ずばり「ヒートショック」です。
ヒートショックとは、暖かい場所と寒い場所で10℃以上温度差がある場合に起こる症状で、急激な血圧変動によって心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクがあります。
ヒートショックのリスクを抑えるためには、外気温と浴室内の温度差を軽減する必要があり、そのためにも窓の断熱はとても重要です。
結露の軽減(カビ・シロアリの防止)
浴室は他の場所よりも湿度が高いため、少しの温度差で結露が発生します。
結露は空気が冷たい面(壁や窓ガラスなど)に触れて急激に温度が下降すると、飽和水蒸気曲線を下回り空気中の水蒸気が水滴へ変化する現象です。(参考:埼玉県|だいじょうぶですか?あなたの住まい)
浴室に大量の結露が発生すると窓周りやタイル目地、浴槽周りのパッキン、浴室床などにカビが発生する原因となります。
また、結露で発生した水分をそのまま放置すると、浴室と隣接した洗面脱衣室にまでカビの影響が広がるリスクもあるため注意が必要です。
結露によって浴室出入り口の木製ドア枠が湿ると、シロアリ発生※の原因にもなりかねません。
※シロアリは湿って柔らかくなった木を好んで食べるため、浴室の漏水や結露水によって床下地や柱が食害を受ける可能性があります。
洗面脱衣室・廊下の寒さ対策
浴室のカビ対策として入浴後に浴室のドアを開けたままにしておく方も珍しくありません。
たしかにドアを開けると浴室内の湿度は下がりますが、冬場は浴室から冷気が洗面脱衣室やその先の廊下まで広がる可能性があります。
これではいくら居室内を暖房で温めても空調効率が下がり、ヒートショックのリスクが廊下などにまで及んでしまう危険性すら考えられます。
窓サッシや窓ガラスの断熱性は、生活の“快適性”に大きく影響します。
窓の断熱化は、健康的な暮らしを送れるだけではなく、家が長持ちして光熱費を削減できる点もメリットです。
〈おすすめコラム〉
窓の断熱リフォームの種類と費用相場|効果や注意点、費用を抑える方法も紹介
ヒートショックは若い人も要注意
ヒートショックはこれまで高齢者が発症しやすいとされてきましたが、近年は若者のリスクも問いただされています。
痩せ型で筋肉量の少ない方や冷え性の方、血圧が高めの方は、血流が滞留しやすく、喫煙・飲酒・糖尿病・脂質体質による動脈硬化を抱えていると、さらにヒートショックのリスクを高めると言われています。(参考:厚生労働省|働く女性の心とからだの応援サイト)
そのため、ご高齢の方がいらっしゃらない世帯でも、浴室を含めて窓の断熱性を見直すことをおすすめします。
DIY・リフォームでできる浴室窓の断熱方法|メリット・デメリット・費用目安
浴室窓の断熱性能を高める方法には、DIYで手軽にできる方法とプロに頼んでリフォームする方法に分かれます。
それぞれメリットとデメリットがありますので、費用目安と併せて紹介します。
窓にカーテンを設置する
窓に浴室用のカーテンを設置すると、多少断熱効果を得られます。
ポイントは、窓全体を覆うようにカーテンを設置して、できるだけ隙間を作らない点です。
メリット | ・賃貸でも可能(カーテンレールの種類によっては壁や天井がキズつかない) ・コストが安い |
デメリット | ・カーテンにカビが生えやすい ・断熱効果は低い |
費用目安 | 数千円(材料費のみ) |
窓に気泡緩衝材(プチプチ)を貼る
窓ガラスの上に両面テープなどで気泡緩衝材(プチプチ)を貼る方法もあります。
材料を100均(100円ショップ)で入手できるため、まずはこちらを試してみるという方も少なくありません。
気泡緩衝材に含まれる空気によって断熱効果を発揮します。
メリット | ・賃貸でも可能(ガラスにテープ跡が残らないように注意) ・コストが安い |
デメリット | ・結露で接着テープがすぐに剥がれる(定期的な貼り替えが必要) ・窓の開け閉めに干渉する可能性がある ・断熱効果は低い(サッシ枠の断熱性は上がらない) ・見た目はあまり良くない |
費用目安 | 数百円〜数千円(材料費のみ) |
窓にプラスチックダンボールをはめる
ホームセンターなどでは工事現場の養生材(キズ・汚れを防止するもの)としてプラスチックダンボール(プラダン)が売られています。
こちらも気泡緩衝材と同様で空気層を含むため、一定の断熱性を持つ材料です。
プラダンを窓サイズに合わせてカットして枠の内側にはめこむ方法も寒さ対策として有効とされています。
メリット | ・賃貸でも可能(キズやテープ跡がつかない) ・コストが安い |
デメリット | ・窓周りを掃除する時に脱着が必要 ・窓を開閉する時に脱着が必要 ・断熱効果は低い ・見た目はあまり良くない |
費用目安 | 数百円〜数千円(材料費のみ) |
窓にスタイロフォームをはめる
スタイロフォームとは外壁内や床下の断熱材にも使用される建築材料です。
スタイロフォームを窓のサイズに合わせてカットしてはめこむと、気泡緩衝材やプラダンとは段違いの高い断熱効果を発揮します。
メリット | ・賃貸でも可能(キズやテープ跡がつかない) ・コストが安い |
デメリット | ・窓周りを掃除する時に脱着が必要 ・窓を開閉する時に脱着が必要 ・見た目はあまり良くない ・採光が失われる(透明・半透明の材料ではないため) |
費用目安 | 数千円(材料費のみ) |
ガラスを交換する
窓ガラスを高断熱な複層ガラス(ペアガラス)に交換する方法もおすすめです。
特に特殊な金属膜コーティングを施したLow-E複層ガラスは断熱・遮熱性能に優れており、単板(1枚)ガラスと比べても大幅に寒さや結露を改善できます。
メリット | ・ガラスの断熱性が大幅にアップする ・補助金を利用できる可能性がある ・窓の見た目はほぼ変わらない ・開閉や掃除のしやすさに影響しない |
デメリット | ・DIYでできる方法と比べるとコストは高い ・サッシ枠の断熱性は変わらない(枠からの熱伝導や結露は軽減できない) |
費用目安 | 31,000円~(材料費・工事費) ※Low-E複層ガラス(80×80cm程度) |
※窓ガラスの交換については【窓サッシのガラス交換】タイミング・メリットとデメリット・費用目安を解説も併せてご覧ください。
内窓を設置する
ガラスだけ高断熱なものに交換しても、サッシ枠から入る冷気は遮断できません。
そのため、既存浴室窓の内側にもう1組窓をつける方法もおすすめです。
内窓(インナーサッシ)をつけると、外窓との間に大きな空気層ができ、断熱効果を発揮します。
メリット | ・窓全体の断熱性が大幅にアップする ・補助金を利用できる可能性がある |
デメリット | ・DIYでできる方法と比べるとコストは高い ・窓の圧迫感が増す可能性がある ・窓の開閉や掃除が二度手間になる |
費用目安 | 47,000円(材料費) 50,000円(工事費) ※弊社へご依頼いただいた場合(税別) ※引き違い窓+Low-E複層ガラス(80×80cm程度) ※ふかし枠などのオプション部材別途 |
※内窓リフォームについては内窓・二重窓のデメリットとは|後悔や失敗を回避するポイント、メリットを解説もぜひ併せてご覧ください。
外窓を交換する
既存窓を丸ごと交換する方法を選ぶ方が増えています。
「外窓を交換するとなると時間もお金もかかりそう」と思う方も多いでしょう。
しかし近年はカバー工法が主流で、窓周りの壁を壊さずに既存窓枠の上に新しい窓枠を被せるため、数時間で窓の交換が完了します。
メリット | ・窓全体の断熱性が大幅にアップする ・窓全体が新しくなり、見た目も良くなる ・開閉方法を変更できる(例:引き違いから押し出し) ・補助金を利用できる可能性がある ・内窓のように開閉や掃除が二度手間にならない |
デメリット | ・他の方法と比べるとコストは高い ・窓の開口面積が一回り小さくなる(枠が太くなるため) |
費用目安 | 197,000円(材料費) 30,000円(工事費) ※弊社へご依頼いただいた場合(税別) ※引き違い窓+Low-E複層ガラス(80×80cm程度) ※高断熱樹脂窓 ※網戸・外部モール付き |
※窓のカバー工法については【窓サッシのカバー工法】よくある後悔談とリフォームを失敗しないための対策、費用目安、FAQを徹底解説もぜひ併せてご覧ください
浴室窓の断熱リフォームで使える“お得”な補助金・減税制度
浴室窓のガラス交換・内窓設置・外窓交換リフォームをすると、補助金や減税制度の対象となる可能性があります。
補助金
住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案により、「先進的窓リノベ事業2025」の実施が決定しています。
2024年11月22日以降に工事していれば補助金の対象です。
対象工事 | 既存住宅における「断熱性向上を実現できる」内窓設置・外窓および窓ガラス交換工事 ※窓改修と同一契約の場合のみ、玄関ドア交換も対象 |
補助金額 | ガラス交換:5,000〜33,000円/ヶ所 内窓設置:12,000〜106,000円/ヶ所 外窓交換(カバー工法):62,000〜220,000円/ヶ所 ※1世帯あたり200万円が上限 ※グレード・サイズによって補助金額は異なる |
申請期限 | 遅くとも2025年末 ※ただし、申請金額が予算額に達した時点で期限を待たずに受付終了 |
※詳しくは速報「先進的窓リノベ事業2025」概要と補助金申請の注意点、2024年からの変更点を解説をご覧ください。
減税特例
浴室窓を断熱リフォームすると、「所得税の税額控除」や「固定資産税の減額措置」を受けられる可能性があります。(参考:国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について)
所得税 | 窓の断熱改修工事にかかった「標準的な工事費用相当額」の10%分が控除(上限130万円) |
固定資産税 | 窓の断熱改修工事にかかった費用の3分の1を翌年度分の固定資産税から減額(工事金額が税込60万円以上のみ対象) |
補助金や減税制度を利用するためには、それぞれの要件(断熱性能のグレードなど)をクリアしなくてはいけません。
そのため、お得な制度をもれなく活用して窓をリノベーションしたい方は、サポート実績が豊富な施工会社へ相談しましょう。
【FAQ】浴室窓の断熱リフォームに関するよくある質問
最後に、浴室窓の断熱リフォームを検討している方から多くいただくご質問を紹介します。
Q.「窓サッシの交換は築何年以降にした方がいい?」
戸建住宅・マンションどちらも、窓サッシの寿命は通常「20〜30年」程度です。
そのため、既に築20年に迫っているもしくは過ぎている家は、ガラス交換や内窓設置よりも外窓交換の方法がおすすめです。
浴室以外の窓も交換すると、断熱性だけではなく防犯性も向上します。
※ぜひ【窓の防犯対策“10選”】狙われやすい窓の特徴と効果的な方法を解説も併せてご覧ください。
Q.「マンションでも窓交換できる?」
マンションでは、窓ガラスやサッシ枠はもちろん、戸車やクレセントなど細かい部品も含め、全て共用部に該当します。
そのため、ガラスや外窓交換について区分所有者個人で工事を手配すると管理規約違反となる可能性があるので注意しましょう。
ただし、国土交通省の公表しているマンション標準管理規約・単棟型(第22条「窓ガラス等の改良」)では、「防犯、防音又は断熱等の住宅性能向上を目的とした窓枠・窓ガラスなどの交換」について、以下のような記載があります。
- 管理組合がその責任と負担において、計画修繕として窓リフォームを実施する
- 管理組合が窓リフォーム工事を速やかに実施できない場合は、区分所有者が理事長に工事申請して承認を受ければ、区分所有者の責任と負担において窓リフォームを実施できる
つまり、タイミングによっては管理組合主導のもと修繕積立金から窓リフォームできる可能性があるということです。
近年は古いマンションを中心に、全戸一斉に外窓交換する事例も珍しくありません。
ちなみに、内窓は設置場所が専有部分に該当するため、内装リフォームなどと同様に、管理組合へ工事申請した上で自己負担にて設置できます。
※マンションの窓リフォームについては【マンションの窓交換】計画の進め方や規約との関係、費用・補助金・減税をご覧ください。
Q.「賃貸でも窓ガラスやサッシは交換できる?」
賃貸住宅で窓ガラスや窓サッシを交換したり内窓を設置したりする場合は、必ず事前にオーナーもしくは管理会社へ相談しましょう。
いくら断熱性能がアップする工事であっても、ガラスや窓枠にビス穴やテープ跡が残ると退去時にトラブルになる可能性があります。(参考:国土交通省|「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について)
窓・玄関ドアリフォームは“窓一番”へご相談ください
私たち“窓一番”は、埼玉県でトップクラスの「外窓交換・二重窓(内窓)設置・玄関ドア交換」工事実績があります。
1966年創業以来、埼玉県随一のアルミサッシ取り扱い数を誇っており、戸建住宅からマンションまで窓・玄関ドアに関する多くのお悩みを解決してきました。
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