【マンションの窓交換】計画の進め方や規約との関係、費用・補助金・減税について
マンションにお住まいの方で「窓際の寒さや結露が気になる」「窓から空き巣や泥棒が入ってこないか心配」という方は少なくないはずです。
そこで気になるのが窓やガラスの交換ですよね。
しかし、マンションは賃貸でなくても戸建住宅のようにすぐリフォームできる訳ではありません。
そこで今回は、「マンションの窓交換」について、管理規約のチェックポイントから注意点、工事の進め方、費用目安について解説します。
窓を断熱リフォームすると利用できる補助金や減税制度も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●マンションの窓交換には、戸建住宅と異なる注意点やポイントがあります。
●マンションの窓交換は補助金や減税制度を使ってお得にリフォームしましょう。
●マンションの全戸一斉窓交換リフォームは、1966年創業以来埼玉県随一の「外窓・内窓・玄関ドア工事」施工事例数を誇る“窓一番”にお任せください。
目次
マンションのリフォームはまず管理規約をチェック
マンションはたとえ分譲物件であっても、区分所有者個人の持ち物となる部分と区分所有者全体で共同所有する部分に分かれます。
専有部分
区分所有権の目的たる建物の部分(建物の区分所有等に関する法律第2条の3)
=区分所有者個人で管理できる範囲
共用部分
専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第4条第2項の規定により共用部分とされた附属の建物(建物の区分所有等に関する法律第2条の4)
=建物全体の価値を落とさないために、区分所有者全員によって共同所有および管理する範囲
部分の名称 | 範囲例 |
---|---|
専有部分 | ・部屋の間仕切壁(構造種別によっては共用部分に該当する場合も) ・部屋の天井・床組(構造種別によっては共用部分に該当する場合も) ・部屋の内装仕上げ及び設備機器 ・部屋内の給排水・ガス管(構造種別によっては共用部分に該当する場合も) ・玄関ドアの錠及び内部塗装部分 |
共用部分 | ・隣との戸境壁 ・コンクリートの梁や柱 ・メーターボックス内の配管や配線、機器類 ・PS(※)周りの壁 ・ベランダやバルコニー ・窓サッシ及び窓ガラス ・玄関ドア本体 |
マンションは専有部分と共用部分によって区分所有者個人の意思でできる工事とできない工事に分かれます。
窓サッシ及び窓ガラスは「共用部分」に該当するため、内装仕上げ材や設備機器のように自由に交換できないので注意しましょう。
ちなみに、内窓(インナーサッシ)は専有部分での作業なので、比較的スムーズに管理組合より工事を許可されます。
共用部を区分所有者個人で勝手に工事できないルールは、「マンション管理規約」にて定められているのが通常です。
ただし国土交通省の公表するマンション標準管理規約では、共有部分である窓のリフォームについて以下のような内容も明記されています。
第22条(窓ガラス等の改良)
共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。
2. 区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。
窓サッシや窓ガラス、玄関ドアはその他の共用部分とは異なり、生活の“質”に大きく影響します。
そのため、防犯・防音・断熱などの性能向上を目的としたリフォームは適切なステップを踏めば工事を許可される可能性があります。
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マンション窓リフォーム計画の進め方と費用負担先
マンションで窓など共用部分に該当する場所をリフォームする場合、計画の進め方は戸建住宅とは少々異なります。
場合によっては区分所有者個人ではなく管理組合が費用負担するケースもありますので、窓交換を検討している方は必ず事前に管理組合や管理会社へ相談しましょう。
大切なのは、基本的な工事計画のフローを把握しておくことです。
- 区分所有者が施工業者に現地調査や見積もりを依頼する
- 区分所有者が管理組合へ工事希望及びリフォーム内容の詳細を報告する
- 全戸一斉交換の場合は、管理組合より業者を手配する
- 管理組合が工事の妥当性や必要性を精査する
- 工事の必要性が「全ての住戸に共通する」と判断された場合、もしくは「複数の区分所有者から同じような工事希望がある」場合は、大規模修繕工事の一環として計画の検討を始める
- 工事の必要性が「該当住戸のみ」と判断された場合は、工事許可のみ区分所有者へ通達する
- 該当住戸のみもしくは全戸で工事を実行する
- 該当住戸のみの工事では、工事費用負担が「区分所有者個人」
- 全戸一斉工事の場合は、工事費用負担が「管理組合(修繕積立金)」
このように、マンションで窓リフォームするまでには踏まなければいけない段階があり、戸建住宅よりも工事できるまで時間がかかります。
そのため、補助金を利用したい場合などは早めの検討が必要です。
窓サッシなどの共用部改修工事は、原則として「管理組合」主導で計画を進めます。
そのため、まずは管理組合へ「窓に関して困っている点」や「窓リフォームしたい理由」を報告しましょう。
築年数の経っているマンションでは、同じような悩みを抱えている方が多数いらっしゃる可能性があり、その場合は全戸一斉工事になって個人で費用負担する必要がないかもしれません。
マンションで窓交換する時のポイントと注意点
マンションで窓サッシを交換する場合には、事前に知っておいていただきたい注意点があります。
業者へ現地調査や見積もりを依頼する前に、6つのポイントを押さえておきましょう。
マンションの窓サッシは20〜30年が寿命
マンション用の窓サッシは、通常「20〜30年」で寿命を迎えます。
そのため、既に築20年を経過しているマンションは、全戸一斉の窓サッシ交換を検討する時期に入っています。
ちなみに、窓サッシは税法上「建物に付随するもの」とみなされるため、減価償却できる法定耐用年数は建物と同じ期間(47年)が適用されるのが通常です。(参考:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし|主な減価償却資産の耐用年数表)
古いサッシは最新の窓サッシと比べると断熱性・気密性が低く、暑さ・寒さを室内へ伝えやすいだけではなく結露を引き起こして壁や床のカビ繁殖の原因にもなりかねません。
窓サッシとガラスを高断熱タイプへ取り替えると、室内の快適性が高まって光熱費削減などの省エネ効果も得られます。
窓交換済みのマンションは資産価値が高まる傾向もあるため、全戸一斉工事をぜひご検討ください。
部品のみの交換でも個人で工事してはいけない
窓サッシの戸車やクレセント、窓ガラス周りのパッキンなどの汚れや不具合が気になり、区分所有者個人で部品交換工事を手配してしまうケースもありますが、こちらも管理規約の違反になる可能性があるので注意しましょう。
費用面でも、古いマンションで部品のみ交換するのはあまり得策ではありません。
部品それぞれの交換費用は安くても、何度も工事を手配するとトータルコストが窓全体の交換よりも高くなる可能性があるので注意しましょう。
玄関ドアも同様です。
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管理規約の内容は物件ごとで異なる可能性がある
国土交通省作成のマンション標準管理規約は、マンションの維持管理や生活におけるトラブルを防ぐための基本的なルールであり、あくまでも“指針・見本”に過ぎません。
そのため、マンションごとで独自のルールを設けているケースもあります。
また、マンション標準管理規約に窓サッシ及び窓ガラスの改修に関する内容が追加されたのは2022年改正のタイミングです。
そのため、それ以前に作られてそのまま内容を見直されていないマンション管理規約では、窓リフォームに関する条文がない可能性もあります。
内容の改定は「区分所有者数かつ議決権の3/4以上の賛成」が求められるため、窓リフォームを検討する前に必ず管理規約の条文を確認しましょう。
窓サッシの交換は開口面積が狭くなる
既存マンションで窓サッシを変える場合、構造躯体(壁や床)を壊さない「カバー工法」が基本になります。
カバー工法とは、既存枠をそのまま残してその上から新規窓枠を取り付けてガラス部分(障子)をはめ込む方法です。
カバー工法は解体工事や窓周りの内装・外装の復旧工事が必要ないため、コストを抑えられて工期も短い点がメリットです。
ただし、窓の開口面積が一回り小さくなる点には注意しましょう。
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ガラスのみ交換しても結露が止まらない可能性がある
窓の結露対策として断熱性の高い複層ガラス(ペアガラス)への交換を検討している方もいらっしゃるでしょう。
確かに既存の単板(一枚)ガラスから高断熱ガラスへ取り替えると、ガラス面の結露は大きく改善されます。
しかし、古い窓サッシは断熱性がほとんどないため、ガラス交換だけではサッシ枠からの結露は止まりません。
そのため、断熱性・省エネ性向上を目的とした窓リフォームの場合は、窓ごと交換する方法がおすすめです。
マンションの窓交換はできる業者が限られる
窓サッシには戸建住宅用・木造住宅用とマンション用があります。
また、マンション全戸での一斉交換となると作業や現場管理のための人手も必要です。
そのため、マンションの窓サッシ交換は対応できる業者が限られるので注意しましょう。
私たち“窓一番”は、埼玉県随一のサッシ取扱数を誇り、どこよりもリーズナブルな価格と高品質な施工を提供しております。
マンション全戸一斉の窓サッシ・玄関ドア改修工事や補助金申請サポートも承っておりますので、マンションオーナー様や管理組合様はどうぞお気軽にご相談ください。
マンション窓交換の費用目安
マンションオーナー様や管理組合様で窓交換を検討している方の多くは、「どのくらいの予算を立てればいい?」と疑問に思っているはずです。
マンションにおける窓交換は戸建住宅よりも割高になるのが通常で、サイズや仕様にもよりますが「25〜50万円/ヶ所」程度の費用がかかります。
戸建住宅よりも割高になる主な理由は2点あります。
- マンション(共同住宅)は建築基準法上で「特殊建築物(第2条第2項)」とみなされるため、戸建住宅とは異なり「防火サッシ」を採用しなくてはいけない。
- 防火サッシでは窓リノベーションを対象とした補助金を受け取れない可能性がある。
- マンション高層部は耐風性の高い「高強度サッシ」を採用しなくてはいけない。
ただし、1戸のみよりも全戸一斉に窓交換する方が材料費・工事費・諸経費を圧縮できるのも事実です。
工事内容 | 工事費用目安 |
---|---|
外窓交換・カバー工法 (腰窓:W1600H900) | 工事費:30,000円/ヶ所 材料費:270,000円/ヶ所 |
外窓交換・カバー工法 (掃き出し窓:W1600H1800) | 工事費:50,000円/ヶ所 材料費:350,000円/ヶ所 |
※上記金額は弊社へご相談いただいた場合の目安です。(製品代+工事費+消費税)
※腰窓・掃き出し窓は両方「洋室・引き違い(2枚建)・Low-E複層ガラス」で見積もり
“窓一番”では、お得なお値引きキャンペーンを随時開催し、高品質な施工をリーズナブルな価格で提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
【2025年】マンションの窓リフォームで使える補助金と減税制度
マンションを含む既存住宅の断熱化・省エネ化は、脱炭素社会の実現に向けて国が重要視している課題です。
そのため、窓の断熱リフォームを対象とした補助金事業や減税制度が設けられています。
補助金
つい先日11月29日に「住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案」が採択され、その中で「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・CO2加速化支援事業」として1,350億円もの多額な予算が閣議決定されました。
それによって「先進的窓リノベ事業2025」が実施されます。
対象工事 | 既存住宅における「断熱性向上を実現できる」内窓設置・外窓および窓ガラス交換工事 ※窓改修と同一契約の場合のみ、玄関ドア交換も対象 |
補助金額 | 内窓設置:12,000〜106,000円/ヶ所 外窓交換(カバー工法):62,000〜220,000円/ヶ所 ※1世帯(1組合)あたり200万円が上限 |
申請期限 | 遅くとも2025年末 ※ただし、申請金額が予算額に達した時点で期限を待たずに受付終了 |
対象要件を全てクリアすれば、窓の防犯対策としてのリフォームでも補助金をもらえます。
低層マンションなどで窓の防犯性が心配という方も、ぜひ補助金の活用をご検討ください。
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減税特例
マンションの窓交換により断熱性・省エネ性が高まると、区分所有者に対して所得税・固定資産税の減税特例が適用される可能性があります。(参考:国土交通省|省エネリフォーム税制(所得税・固定資産税))
所得税 | 窓の断熱改修工事にかかった「標準的な工事費用相当額」の10%分が控除(上限130万円) |
固定資産税 | 窓の断熱改修工事にかかった費用の3分の1を翌年度分の固定資産税から減額(工事金額が税込60万円以上のみ対象) |
(参考:国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について)
自治体ごとに独自の支援事業を実施しているところもありますので、窓リフォームする際は事前に役所などへ詳細をお問い合わせください。
マンションの窓・玄関ドアリフォームは“窓一番”へご相談ください
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1966年創業以来、埼玉県随一のアルミサッシ取り扱い数を誇っており、マンションオーナー様や管理組合様からのご依頼での窓・玄関ドアに関する多くのお悩みを解決してきました。
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